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小説書いったー
小説書いったー
2022年5月28日に作成
#趣味
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420文字以内の小説を書きたい読みたい人向け
・一次創作のみでお願いいたします。
・ジャンルは冒頭か返信部分に書くとわかりやすいですがなくても問題ありません。
※現在、改行を使った420文字小説の場合、文字数オーバーでエラーが出るようです。
お手数をおかけしますが、文字数だけではなく改行も1文字とカウントして420文字以内になるよう調整して頂けると助かります。
#小説
#しょうせつ
#420文字小説
#読書
#創作
#息抜き
このTterはアーカイブのみ閲覧できます
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vShfjY
2022年8月21日
スフィニィー
こんにちは。
僕はNYのコメディアン。
ジョークが大好きなんだ。
日本の皆さん、
スフィニィーって知ってる?
今、アメリカ西部から
東部で流行中なんだ
【わけわからないよね?】の
代用で使うよ
試しに友人へラインしてみるね
「先日のクラス、スフィニィー?
あ、返信だ。友だちも
『クラス、スフィニィー? 』
って返した
念の為に「わけわかんないよね」
って送ってみるか、返事早っ。
『だよね』だって。
別の友人にも聞いてみよう
「ジョン先生、スフィニィー?」
あ。やばい。先生に誤送……
『スフィニィーだって?
君。それは、わけわからないよ』
うわぁ、怒りモードだよ
先生、しっかり意味書いてる
さすが教師だね。
え、代用文字なのに
スフィニィーは長い?
そうか、カタカナだと長いよね
英文字だと
SFNY
日本語読みだとスフィニィー。
ここまでありがとう。
もちろん、全部ジョークだからね。
スフィニィー?
それではよい週末を!
読み込み中...
BD9aHf
2022年8月21日
小さな中華料理店。
無骨な店主が一人、新聞を読んでいる。
数年前までは深夜に開いているこの店は重宝がられたものだが、昨今では深夜に歩いている人間がめっきり減ってしまった。寂しいものだ、と店主はため息をついた。
「あの、まだやってます?」
突然、ガラガラとガラス戸を開いて客が入ってきた。
外はにわか雨が降り出していて、濃厚な雨の香りが漂ってきた。店主が頷きつつ立ち上がると、先頭の客が外に声をかける。
「まだ大丈夫だって!」
ワイワイガヤガヤ、どうやら団体客のようだ。
「なんで全部フライパンから飛んでいっちゃったんだろう…」
「冷凍も美味しいけど、ここのが食べたくなっちゃったんだよなー」
「お腹すいた!!」
それぞれ話しながら入ってきた客は十数名。頼まれたメニューはほとんどがチャーハン。
おそらく飲み会の席か何かでチャーハンの話題でも出たのだろう。店主は口の端で小さく笑うと、さっそく中華鍋で米を入れ、卵と自慢の焼き豚と刻みネギのチャーハンを作り始めた。
読み込み中...
HcCUh4
2022年8月20日
田舎の礼拝堂。
合唱団が賛美歌の練習をしている。歌声の響く中、俯き加減に背中を丸めて歩く女がひとり。向かう先は懺悔室。
女は暗い面持ちで中へと入る。そしてか細い声で静かに話を始めた。
⚪︎
私はキリスト教の信者ではございません。学生の頃はカトリックの......いえ、それはどうでもいいのです。
もう時効です。
私は法律で裁かれぬまま生きて来ましたが、神様にだけは信じてほしい、私の罪を告白します。
私は夫を殺しました。
本当です。夫は行方不明の扱いです。
皆は私を頭のおかしくなった女だと哀れみます。でも私は確かに殺しました。
他の女の元に行かれるのが嫌でお夕飯に毒を混ぜました。
苦悶の声を上げて倒れた夫の身体を切断して、念入りに水で冷やしました。
丁寧に温度を調整しますと屍体が腐らず蝋のように固まるのです。
私は小さな洋服屋を営んでおります。
店先にショウウインドウに男性のマネキンみえましたら、それは私の夫です。
読み込み中...
pJa.XG
2022年8月19日
子ども達の笑い声が聞こえる。
公園の側を通りかかると、そこでは小学生の子ども達が賑やかにわらべ歌を口遊んでいる。
かってうれしいはないちもんめ──
花一匁。
私は聞き馴染みのあるその歌に足を止めた。
暫く観察していると、ひとつの法則が見えてくる。行ったり来たりする子は大体決まっていて、残る子も大体決まっているのだ。
この遊びにはいい思い出がない。
友達は頻繁に「あの子がほしい」と指名され、繋いだ手を離れて行った。
私はいつも残る側もだった。
残酷だ。
歌の歴史がどうという以上に、もっとリアルに生々しく、自身に突きつけられる人気の可視化が残酷なのだ。
子ども達の中の、残されがちな子に自然と目が行く。
大人になっても状況こそ違えど同じような疎外感を味わうことが多々ある。過去の自分と重ね合わせつつ、私は気がすむまで子ども達の花一匁を眺めていた。
読み込み中...
jv3lyb
2022年8月19日
ゴールデンレトリバー
辛くて涙を流してたら
犬が顔をなめてきた。
いい子ワンと、ギュッとした
3年後。
犬が水桶に何かを吐き出した
透明な青い宝石
キュウキュウなく犬。
この犬、こんなに白かったっけ?
荒川の河川敷に行こう
犬と一緒に駆け回り、久々の太陽
嬉しそうな犬、
シッポがパタパタ、元気だ
家に閉じ込めてゴメン。
土手の芝生に座る
ポケットから
青い宝石を取り出した。
キラキラして透明で
しばらく眺めた、
顔をペロリ
犬が隣で見つめてる。
立ち上がり、腕を伸ばして
投げ捨てた。
夕日の水面に光って消えた
犬のシッポがパタパタ
頭をなでてギュッとした。
僕の犬は金色だ。
読み込み中...
tp8YPR
2022年8月13日
「悪いことは、人から見逃してもらえたってね、神様がいつも、雲の間から見ていらっしゃるのよ」
叱る厳しさの中に、親としての優しさと温かさを含んだ母の言葉をふと思い出した。
森の中には懐中電灯の人工的な光によって作り出された影が濃く刻まれ、雲に覆われた空の暗さをより引き立てている。
本来なら真っ暗な森の中、月の光さえなく突き進むことに恐怖を覚えるはずだが、今の自分にとって、この状況はむしろ安心感さえ与えた。
密に詰め込まれた雲の間には一分の隙間さえ見えず、ほんの少しの月明かりさえ差しやしない。
神様は何も見えていない。
きっと見る気さえない。
これからすることはきっと悪いことじゃないから。
この世にコピー用紙一枚分の言葉を遺して消えるだけ。
生きる事を辞めるだけ。
また一歩、足を進めようとしたその時に、柔らかな光が降りた。
月の青白い光が雲をぬけて届いたらしい。
「いい子にしなきゃダメよ」
母の言葉が頭に響く。
私の悪行は、見事神に見つけられてしまったようだ。
読み込み中...
HD/I4K
2022年8月12日
病院内の売店で見つけたオモチャの黒電話。古いドラマでしか見たことのない形のそれに目を引かれたのは、色が彼のスマホと同じな事と、添えられた紙に書かれていた言葉のせいだ。
これは魔法の電話です。あなたが一番聞きたい人の声が流れます。
魔法なんてある訳ない、理性が否定しても電話を買ったのは、それだけ心が追い詰められていたからだ。
隔離病棟に入院している彼。病状は落ち着いたらしいのに、面会できるのは未だにご両親だけだ。
会いたい、話したい、抱きしめたい、
言葉と気持ちだけが募っていく。だから。
部屋の机に置いた黒電話は、けれど今夜も沈黙している。
「やっぱり、魔法なんてあるわけない、よね」
オモチャを指で弾いた、途端。
鳴り響いたのは彼のスマホの着信音。私のスマホではなく、確かに目の前の黒電話から流れている。
私は震える手で受話器を取り、耳元にそれを持っていく。
そこから流れてきたのは、懐かしい、本当に懐かしい、彼の肉声だった。
読み込み中...
eBnKJ2
2022年8月11日
恋とは、もっと情熱的で落ち着きがないものと思っていた。
恋などしたことがないものだから、他人が綴った主観的なそれしか知らず、まさか恋を教える師などいようはずもない。
世間一般の語る感覚と経験の恋しか知らずにいたから、こんなバカをやらかしたのだ。
あなたに恋人が出来たという。
頬を緩め、瞳を溶かして、私を見るような素振りで遠くに恋人を描いている。
どこにあるとも知れない"心"というものが、確かに音を立てて崩れ落ちた。
あなたの傍にいればいつだって感じた心地良さも、安心感も、胸が暖かくなるような感覚も、何もかも感じない。
心臓は落ち着かなく暴れ、悲しみ不安恐怖と、安心とは程遠いものが恋の代わりに居座った。
身体を丸ごと氷に突っ込んだかのように全身が冷え込んで、握った拳がぶるぶると震える。
立ち上がって周りも顧みず、自分勝手にあなたを罵れたらどんなに良かったか。
叶わないと分かった癖に、まだ初恋にしがみついた私の口は、知らず「おめでとう」と吐き出した。
読み込み中...
va1UDL
2022年8月11日
平成9年 10月24日
サーパス天王寺
ご入居者様各位
■━━━━━━━━━━━━━━■
ご入居者様へのお願い
■━━━━━━━━━━━━━━■
平素より当マンションの運営に
ご理解、ご協力いただき、まこ
とにありがとうございます。早
速ですが、花壇にゴミが捨てら
れていると通報がありました。
調査したところ、木彫りの人形
ロープ、写真、書類などが遺棄
されており、大変迷惑しており
ます。共有スペースの使い方を
間違えると大変なことになりま
す。ヨシダさんが怒ってしまい
ます。誰も責任が取れません。
ゴミを捨てないでください。
本当にお願いです。
誰にも助けられません。
読み込み中...
ZHZlrG
2022年8月9日
雪だるま様
昔つくった雪だるまが
恩返しだと来た。
泥まみれのかき氷をくれた。
顔が半分になってたから
慌ててコンビニで氷買った。
溶けそうなので冷蔵庫の中身を
全部出し、冷房つけっぱなし。
気持ちわかったから。
勝手に作って放置してごめん。
雪は辛いけど。雪だるまの
おかげで、楽しかったよね。
それなのに。
春が近づくと忘れてしまう。
冬の時期を一緒にいたのに。
最低だよね。
泣いて謝ったら、
キレイな黒い石を残して
消えちゃった。
久しぶりに
幼なじみから連絡があった。
他の人の所にも来たらしい。
懐かしくて、皆で地元へ
帰省の話に。
親父に連絡した。
ニヤニヤした声で言われた。
雪だるま様にあっただろう?
雪だるま様。
成人後に一度、来るらしかった。
お盆は帰省して
石は拾った山に置くつもり。
また、誰かの
少年の日の思い出に
いつか故郷を思い出す
きっかけになりますように。
読み込み中...
WODCKQ
2022年8月8日
季語だの四字熟語だの小難しい漢字だのと言ったものは、たったの一つも書けやしない。頭の中で作り上げた情景、人間、その他もろもろを、頭に浮かぶ限りの拙い言葉で繋ぎ繋ぎ紡いでいくのが私の小説だった。
こういう時は他から学べと分厚い本を手に取るも、結局途中で目も頭もクルクルと回りだし、子供でもないのに知恵熱でも起こしたような気分になる。
意味もなく大口を開けて酸素を取り入れ、また一つ地球温暖化を促進し、大作を生み出す訳でもなく目尻に涙を産み落とす。
怠惰な自分を叱る声、いやいやしかし偉人の中には私以上に怠惰な者も、と適当な本で得た知識を乱雑に振りかざし私を擁護する声とが脳内で混ざり合い、結局その勝負は完全なる依怙贔屓で擁護側が勝利を収めた。
こんな怠惰な日常でも綴ってみれば、案外某名無しの猫のように売れるだろうか。
猫と言えば思い出したのはシュレディンガーの猫であるが、めでたい猫の日に思い出すのが猫のデッドオアアライブの脳内実験とは如何なものか。
読み込み中...
wvwVuo
2022年8月6日
僕の席に花瓶が置いてあった。ご丁寧に菊の花まで生けられたその花瓶を前に、僕は金縛りにあったような気分になる。
ふと、誰かがヒソヒソと話している声が聞こえて、僕はハッとする。恐る恐るクラスメイト達に目を向けると、誰一人として僕の方を見ようとしていなかった。田中も、佐藤も、同じ部活の連中も、昨日まで他愛もない話をしていた全員が。──まるで、僕の存在が消えてしまったかのように。
担任が「席に着け、お前ら」と言いながら、教室に入ってくる。大人しく椅子に座るクラスメイト達。未だに立ち尽くしている僕に目もくれず、担任は淡々と"昨日のこと"について話し始める。耐え切れず、僕は教室を飛び出した。
自宅まで戻り、母さんの姿を探す。──居た。泣いている。小さな背中を丸めて、肩を震わせて、母さんは仏壇の前で涙を流していた。全てを理解した僕は、その場に立ち尽くすことしかできなかった。
僕の遺影の横には、真新しい菊の花が添えられていた。
読み込み中...
TgAkp6
2022年8月6日
彼はパズルや語呂合わせの類いが好きだ。
大人になっても子供っぽさが残る彼は時々、自分の考えた暗号でメッセージを送ってくる事があった。だから。
12194
5つの数字だけのそれも、私には意味が直ぐに分かった。1はi、アイ。会いに行くよ、だ。
12194
彼は何度も、その番号を送ってきた。
隔離病棟の一室、独り寝のベッドから。
長文を打つ体力が無くなってからは、5つの番号を何度も。
12194、12194、12194、12194、12194……
「きっと病気に勝つ、又、君に会いに行くよ」
入院前、私に言った言葉をなぞる様に。
5つの数字を見る度、私は祈る。
どうかこのメッセージを、嘘になんてしないでと。
読み込み中...
b8IuCM
2022年8月5日
「欠陥品の自分が役に立てるのは嬉しいですね」
取材に応じた担当者は夏空を思わせる声をしていた。規約により表情を伺うことはできないが、肉声だけでも仕事に対し前向きな感情を持っていることは感じ取れる。
コンクリート造りの施設を内部へと進んでいく。案内されたのは暗いガラスで仕切られた狭い部屋だった。ドラマで見る取調室の隣室とよく似ている。
パイプ椅子を勧められ腰掛けて待つこと数分……ボロ布のような服を着た囚人と私を案内してくれた担当者がガラスの向こうに現れた。
担当者は手に持った棒――恐らくは鞭を持った手で囚人を追い立てる。囚人は見た目にもわかるほどの狂乱を見せ暴れるが、服を掴まれて絞首台へと引きずられていき、首に縄を掛けられる。重複死刑の5回め。この後囚人は死の寸前で蘇生され、数日後再度死刑に処されるのだ。
繰り返し苦痛を与える処刑人には特殊な耐性が要る。担当者は自分のことを欠陥品と称したが、凶悪犯罪者よりはずっとマトモだろう。
読み込み中...
zsPWFR
2022年8月4日
ジャンル:ホラー?
かちゃり、と食器が音を立てる。真夜中の2時半。その音で覚醒する。またか、と思った。
俺は、女の幽霊と同居している。ラップ音やちょっとした金縛りぐらいで特に害もないし、時折見える姿が美人だからというのもあり、お祓いなどもせずに今に至る。事故物件という話は入居時に聞かされていないし、管理人に確認してもそんな事実はないという。
最初の頃は騙されているのかと疑ったが、祟りや呪いを信じていない性分が幸いして、徐々に気にならなくなっていた。むしろ、美人と同棲できるという下心が勝ったのか。
かちゃり、かちゃ、かちゃり、がちゃん。
おかしい。彼女はこんなにうるさく音を立てないはずだ。違和感に突き動かされるままに明かりをつけキッチンへ行くと、彼女が立っていた。
その腕に、小さな赤子。
そして俺は、初めて彼女の声を聴いた。
「ほら、パパにご挨拶して」
母親になった彼女の声が虚ろに響いた。
読み込み中...
2bG1ML
2022年7月27日
「文章は形容詞から腐るのだ」。ある有名な小説家が言った。私はその言葉を自らに刻み、直接ものを書いてきた。たが、あの日、私が出会った人のことを、どう表現していいかわからなかった。いろいろの美辞麗句、形容詞や比喩が頭に浮かんだ。浮かんでは消えて、消えては浮かび。結句、浮かんだ言葉を私は捨て切ることができなかった。私は「歯の浮くような」言葉でできた恋文をあの人におくった。結果、幸運にも、私は最愛の伴侶を得ることができた。同時に、私の捨て去ったものは大きい。私は私の捨て去ったものをたまに思い返す。そして現実に戻る。
読み込み中...
so/knj
2022年7月26日
上手い人の描く絵は上手い。
我ながら馬鹿げた感想だ。
私は欲しかった画集をようやく入手した。
フルカラーの上質紙に印刷されたそれは手に取るとずっしりと重たい。予想以上のボリュームに思わず胸が踊った。
この画集の絵は独特の空気感と透明感を持つ着色が特徴だ。
噂によればグリザイユ画法を採用しているらしい。灰色ベースで陰影をつけ、その上に明るい色を足していく方法だ。
私とは塗り方が違う。それでも画集を買ったのは、ただ眺めるためではなく技術を盗みたいと思ったからだ。
技法は違えどハイライトの入れ方や加工等参考にできる箇所は充分にある。
しかしいざ手本にしてみても、私のキャンバスに出来上がる絵は全くの別物だ。
見て学んで理解した気になったって実践は難しい。
やはり──上手い人の描く絵は上手い。
一朝一夕で手に出来る技術ではないのだ。
だが明確な目標を持つ者は強いという。
初めは見よう見まねでもいつか私が本当に「上手い人」になれるよう、今日もまたキャンバスを開く。
読み込み中...
ZqwGA6
2022年7月23日
世に流行り病いあるという。我、人里から離れた清冽なる空気の森の中にありて、流行りとは無縁なり。然しながら、我も人恋しと思う夜もあり、人里への想い断ち切れぬ。ついにはお姫様の格好をして人里に、そして都へと至る。都人、みな口を覆て暮らす。我も其の真似をする。我の顔隠れ、素性問われることもなし。悠々と都にて暮らす、不自由はなし。都人、時に病に冒されて死して焼かれる。其の煙眺めて我も、哀悼の意を覚ゆるが、この都の夜の灯り見ては、もはや森に帰れぬ。流行り病いに紛れて我は都に居場所を得たり。我は流行り病に救われしか、我こそ流行り病の化身なるか?
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Xs1vU8
2022年7月23日
自分には目標がある。
それは自分の脳内にある妄想や理想を文章にして形にすること。
今日に至るまで少しずつ自分の中での解釈を練り合わせ、実際に形として自分の手元に残るものほど幸せなことはない。
自分の見たいものを作りたい。
自分だけの宝にしたい。
思い立ったが吉日という諺があるように、やりたいと思ったら即行動だと早速スマートフォンのメモ帳アプリを開き、文字を打ち込もうとする。
しかし、一切の言葉が出てこない。
何かいい言葉はないかと数ある小説の冒頭部分を見ても分からず、画面とにらめっこすること約一時間。
書けない。
あれほど脳内で妄想し自分なりに解像度を上げてきたはずなのに。
世の創作者達はこういうたくさんの苦労を乗り越えて作品を作り上げていたのか。
改めて尊敬の念を持つと共に、自分の中に眠っていた創作意欲や闘志にさらに火が着いた。
何がなんでもやってやる。
いつか形になるその日まで、絶対に諦めるもんか。
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こんにちは。
僕はNYのコメディアン。
ジョークが大好きなんだ。
日本の皆さん、
スフィニィーって知ってる?
今、アメリカ西部から
東部で流行中なんだ
【わけわからないよね?】の
代用で使うよ
試しに友人へラインしてみるね
「先日のクラス、スフィニィー?
あ、返信だ。友だちも
『クラス、スフィニィー? 』
って返した
念の為に「わけわかんないよね」
って送ってみるか、返事早っ。
『だよね』だって。
別の友人にも聞いてみよう
「ジョン先生、スフィニィー?」
あ。やばい。先生に誤送……
『スフィニィーだって?
君。それは、わけわからないよ』
うわぁ、怒りモードだよ
先生、しっかり意味書いてる
さすが教師だね。
え、代用文字なのに
スフィニィーは長い?
そうか、カタカナだと長いよね
英文字だと
SFNY
日本語読みだとスフィニィー。
ここまでありがとう。
もちろん、全部ジョークだからね。
スフィニィー?
それではよい週末を!
無骨な店主が一人、新聞を読んでいる。
数年前までは深夜に開いているこの店は重宝がられたものだが、昨今では深夜に歩いている人間がめっきり減ってしまった。寂しいものだ、と店主はため息をついた。
「あの、まだやってます?」
突然、ガラガラとガラス戸を開いて客が入ってきた。
外はにわか雨が降り出していて、濃厚な雨の香りが漂ってきた。店主が頷きつつ立ち上がると、先頭の客が外に声をかける。
「まだ大丈夫だって!」
ワイワイガヤガヤ、どうやら団体客のようだ。
「なんで全部フライパンから飛んでいっちゃったんだろう…」
「冷凍も美味しいけど、ここのが食べたくなっちゃったんだよなー」
「お腹すいた!!」
それぞれ話しながら入ってきた客は十数名。頼まれたメニューはほとんどがチャーハン。
おそらく飲み会の席か何かでチャーハンの話題でも出たのだろう。店主は口の端で小さく笑うと、さっそく中華鍋で米を入れ、卵と自慢の焼き豚と刻みネギのチャーハンを作り始めた。
合唱団が賛美歌の練習をしている。歌声の響く中、俯き加減に背中を丸めて歩く女がひとり。向かう先は懺悔室。
女は暗い面持ちで中へと入る。そしてか細い声で静かに話を始めた。
⚪︎
私はキリスト教の信者ではございません。学生の頃はカトリックの......いえ、それはどうでもいいのです。
もう時効です。
私は法律で裁かれぬまま生きて来ましたが、神様にだけは信じてほしい、私の罪を告白します。
私は夫を殺しました。
本当です。夫は行方不明の扱いです。
皆は私を頭のおかしくなった女だと哀れみます。でも私は確かに殺しました。
他の女の元に行かれるのが嫌でお夕飯に毒を混ぜました。
苦悶の声を上げて倒れた夫の身体を切断して、念入りに水で冷やしました。
丁寧に温度を調整しますと屍体が腐らず蝋のように固まるのです。
私は小さな洋服屋を営んでおります。
店先にショウウインドウに男性のマネキンみえましたら、それは私の夫です。
公園の側を通りかかると、そこでは小学生の子ども達が賑やかにわらべ歌を口遊んでいる。
かってうれしいはないちもんめ──
花一匁。
私は聞き馴染みのあるその歌に足を止めた。
暫く観察していると、ひとつの法則が見えてくる。行ったり来たりする子は大体決まっていて、残る子も大体決まっているのだ。
この遊びにはいい思い出がない。
友達は頻繁に「あの子がほしい」と指名され、繋いだ手を離れて行った。
私はいつも残る側もだった。
残酷だ。
歌の歴史がどうという以上に、もっとリアルに生々しく、自身に突きつけられる人気の可視化が残酷なのだ。
子ども達の中の、残されがちな子に自然と目が行く。
大人になっても状況こそ違えど同じような疎外感を味わうことが多々ある。過去の自分と重ね合わせつつ、私は気がすむまで子ども達の花一匁を眺めていた。
辛くて涙を流してたら
犬が顔をなめてきた。
いい子ワンと、ギュッとした
3年後。
犬が水桶に何かを吐き出した
透明な青い宝石
キュウキュウなく犬。
この犬、こんなに白かったっけ?
荒川の河川敷に行こう
犬と一緒に駆け回り、久々の太陽
嬉しそうな犬、
シッポがパタパタ、元気だ
家に閉じ込めてゴメン。
土手の芝生に座る
ポケットから
青い宝石を取り出した。
キラキラして透明で
しばらく眺めた、
顔をペロリ
犬が隣で見つめてる。
立ち上がり、腕を伸ばして
投げ捨てた。
夕日の水面に光って消えた
犬のシッポがパタパタ
頭をなでてギュッとした。
僕の犬は金色だ。
叱る厳しさの中に、親としての優しさと温かさを含んだ母の言葉をふと思い出した。
森の中には懐中電灯の人工的な光によって作り出された影が濃く刻まれ、雲に覆われた空の暗さをより引き立てている。
本来なら真っ暗な森の中、月の光さえなく突き進むことに恐怖を覚えるはずだが、今の自分にとって、この状況はむしろ安心感さえ与えた。
密に詰め込まれた雲の間には一分の隙間さえ見えず、ほんの少しの月明かりさえ差しやしない。
神様は何も見えていない。
きっと見る気さえない。
これからすることはきっと悪いことじゃないから。
この世にコピー用紙一枚分の言葉を遺して消えるだけ。
生きる事を辞めるだけ。
また一歩、足を進めようとしたその時に、柔らかな光が降りた。
月の青白い光が雲をぬけて届いたらしい。
「いい子にしなきゃダメよ」
母の言葉が頭に響く。
私の悪行は、見事神に見つけられてしまったようだ。
これは魔法の電話です。あなたが一番聞きたい人の声が流れます。
魔法なんてある訳ない、理性が否定しても電話を買ったのは、それだけ心が追い詰められていたからだ。
隔離病棟に入院している彼。病状は落ち着いたらしいのに、面会できるのは未だにご両親だけだ。
会いたい、話したい、抱きしめたい、
言葉と気持ちだけが募っていく。だから。
部屋の机に置いた黒電話は、けれど今夜も沈黙している。
「やっぱり、魔法なんてあるわけない、よね」
オモチャを指で弾いた、途端。
鳴り響いたのは彼のスマホの着信音。私のスマホではなく、確かに目の前の黒電話から流れている。
私は震える手で受話器を取り、耳元にそれを持っていく。
そこから流れてきたのは、懐かしい、本当に懐かしい、彼の肉声だった。
恋などしたことがないものだから、他人が綴った主観的なそれしか知らず、まさか恋を教える師などいようはずもない。
世間一般の語る感覚と経験の恋しか知らずにいたから、こんなバカをやらかしたのだ。
あなたに恋人が出来たという。
頬を緩め、瞳を溶かして、私を見るような素振りで遠くに恋人を描いている。
どこにあるとも知れない"心"というものが、確かに音を立てて崩れ落ちた。
あなたの傍にいればいつだって感じた心地良さも、安心感も、胸が暖かくなるような感覚も、何もかも感じない。
心臓は落ち着かなく暴れ、悲しみ不安恐怖と、安心とは程遠いものが恋の代わりに居座った。
身体を丸ごと氷に突っ込んだかのように全身が冷え込んで、握った拳がぶるぶると震える。
立ち上がって周りも顧みず、自分勝手にあなたを罵れたらどんなに良かったか。
叶わないと分かった癖に、まだ初恋にしがみついた私の口は、知らず「おめでとう」と吐き出した。
サーパス天王寺
ご入居者様各位
■━━━━━━━━━━━━━━■
ご入居者様へのお願い
■━━━━━━━━━━━━━━■
平素より当マンションの運営に
ご理解、ご協力いただき、まこ
とにありがとうございます。早
速ですが、花壇にゴミが捨てら
れていると通報がありました。
調査したところ、木彫りの人形
ロープ、写真、書類などが遺棄
されており、大変迷惑しており
ます。共有スペースの使い方を
間違えると大変なことになりま
す。ヨシダさんが怒ってしまい
ます。誰も責任が取れません。
ゴミを捨てないでください。
本当にお願いです。
誰にも助けられません。
昔つくった雪だるまが
恩返しだと来た。
泥まみれのかき氷をくれた。
顔が半分になってたから
慌ててコンビニで氷買った。
溶けそうなので冷蔵庫の中身を
全部出し、冷房つけっぱなし。
気持ちわかったから。
勝手に作って放置してごめん。
雪は辛いけど。雪だるまの
おかげで、楽しかったよね。
それなのに。
春が近づくと忘れてしまう。
冬の時期を一緒にいたのに。
最低だよね。
泣いて謝ったら、
キレイな黒い石を残して
消えちゃった。
久しぶりに
幼なじみから連絡があった。
他の人の所にも来たらしい。
懐かしくて、皆で地元へ
帰省の話に。
親父に連絡した。
ニヤニヤした声で言われた。
雪だるま様にあっただろう?
雪だるま様。
成人後に一度、来るらしかった。
お盆は帰省して
石は拾った山に置くつもり。
また、誰かの
少年の日の思い出に
いつか故郷を思い出す
きっかけになりますように。
こういう時は他から学べと分厚い本を手に取るも、結局途中で目も頭もクルクルと回りだし、子供でもないのに知恵熱でも起こしたような気分になる。
意味もなく大口を開けて酸素を取り入れ、また一つ地球温暖化を促進し、大作を生み出す訳でもなく目尻に涙を産み落とす。
怠惰な自分を叱る声、いやいやしかし偉人の中には私以上に怠惰な者も、と適当な本で得た知識を乱雑に振りかざし私を擁護する声とが脳内で混ざり合い、結局その勝負は完全なる依怙贔屓で擁護側が勝利を収めた。
こんな怠惰な日常でも綴ってみれば、案外某名無しの猫のように売れるだろうか。
猫と言えば思い出したのはシュレディンガーの猫であるが、めでたい猫の日に思い出すのが猫のデッドオアアライブの脳内実験とは如何なものか。
ふと、誰かがヒソヒソと話している声が聞こえて、僕はハッとする。恐る恐るクラスメイト達に目を向けると、誰一人として僕の方を見ようとしていなかった。田中も、佐藤も、同じ部活の連中も、昨日まで他愛もない話をしていた全員が。──まるで、僕の存在が消えてしまったかのように。
担任が「席に着け、お前ら」と言いながら、教室に入ってくる。大人しく椅子に座るクラスメイト達。未だに立ち尽くしている僕に目もくれず、担任は淡々と"昨日のこと"について話し始める。耐え切れず、僕は教室を飛び出した。
自宅まで戻り、母さんの姿を探す。──居た。泣いている。小さな背中を丸めて、肩を震わせて、母さんは仏壇の前で涙を流していた。全てを理解した僕は、その場に立ち尽くすことしかできなかった。
僕の遺影の横には、真新しい菊の花が添えられていた。
大人になっても子供っぽさが残る彼は時々、自分の考えた暗号でメッセージを送ってくる事があった。だから。
12194
5つの数字だけのそれも、私には意味が直ぐに分かった。1はi、アイ。会いに行くよ、だ。
12194
彼は何度も、その番号を送ってきた。
隔離病棟の一室、独り寝のベッドから。
長文を打つ体力が無くなってからは、5つの番号を何度も。
12194、12194、12194、12194、12194……
「きっと病気に勝つ、又、君に会いに行くよ」
入院前、私に言った言葉をなぞる様に。
5つの数字を見る度、私は祈る。
どうかこのメッセージを、嘘になんてしないでと。
取材に応じた担当者は夏空を思わせる声をしていた。規約により表情を伺うことはできないが、肉声だけでも仕事に対し前向きな感情を持っていることは感じ取れる。
コンクリート造りの施設を内部へと進んでいく。案内されたのは暗いガラスで仕切られた狭い部屋だった。ドラマで見る取調室の隣室とよく似ている。
パイプ椅子を勧められ腰掛けて待つこと数分……ボロ布のような服を着た囚人と私を案内してくれた担当者がガラスの向こうに現れた。
担当者は手に持った棒――恐らくは鞭を持った手で囚人を追い立てる。囚人は見た目にもわかるほどの狂乱を見せ暴れるが、服を掴まれて絞首台へと引きずられていき、首に縄を掛けられる。重複死刑の5回め。この後囚人は死の寸前で蘇生され、数日後再度死刑に処されるのだ。
繰り返し苦痛を与える処刑人には特殊な耐性が要る。担当者は自分のことを欠陥品と称したが、凶悪犯罪者よりはずっとマトモだろう。
かちゃり、と食器が音を立てる。真夜中の2時半。その音で覚醒する。またか、と思った。
俺は、女の幽霊と同居している。ラップ音やちょっとした金縛りぐらいで特に害もないし、時折見える姿が美人だからというのもあり、お祓いなどもせずに今に至る。事故物件という話は入居時に聞かされていないし、管理人に確認してもそんな事実はないという。
最初の頃は騙されているのかと疑ったが、祟りや呪いを信じていない性分が幸いして、徐々に気にならなくなっていた。むしろ、美人と同棲できるという下心が勝ったのか。
かちゃり、かちゃ、かちゃり、がちゃん。
おかしい。彼女はこんなにうるさく音を立てないはずだ。違和感に突き動かされるままに明かりをつけキッチンへ行くと、彼女が立っていた。
その腕に、小さな赤子。
そして俺は、初めて彼女の声を聴いた。
「ほら、パパにご挨拶して」
母親になった彼女の声が虚ろに響いた。
我ながら馬鹿げた感想だ。
私は欲しかった画集をようやく入手した。
フルカラーの上質紙に印刷されたそれは手に取るとずっしりと重たい。予想以上のボリュームに思わず胸が踊った。
この画集の絵は独特の空気感と透明感を持つ着色が特徴だ。
噂によればグリザイユ画法を採用しているらしい。灰色ベースで陰影をつけ、その上に明るい色を足していく方法だ。
私とは塗り方が違う。それでも画集を買ったのは、ただ眺めるためではなく技術を盗みたいと思ったからだ。
技法は違えどハイライトの入れ方や加工等参考にできる箇所は充分にある。
しかしいざ手本にしてみても、私のキャンバスに出来上がる絵は全くの別物だ。
見て学んで理解した気になったって実践は難しい。
やはり──上手い人の描く絵は上手い。
一朝一夕で手に出来る技術ではないのだ。
だが明確な目標を持つ者は強いという。
初めは見よう見まねでもいつか私が本当に「上手い人」になれるよう、今日もまたキャンバスを開く。
それは自分の脳内にある妄想や理想を文章にして形にすること。
今日に至るまで少しずつ自分の中での解釈を練り合わせ、実際に形として自分の手元に残るものほど幸せなことはない。
自分の見たいものを作りたい。
自分だけの宝にしたい。
思い立ったが吉日という諺があるように、やりたいと思ったら即行動だと早速スマートフォンのメモ帳アプリを開き、文字を打ち込もうとする。
しかし、一切の言葉が出てこない。
何かいい言葉はないかと数ある小説の冒頭部分を見ても分からず、画面とにらめっこすること約一時間。
書けない。
あれほど脳内で妄想し自分なりに解像度を上げてきたはずなのに。
世の創作者達はこういうたくさんの苦労を乗り越えて作品を作り上げていたのか。
改めて尊敬の念を持つと共に、自分の中に眠っていた創作意欲や闘志にさらに火が着いた。
何がなんでもやってやる。
いつか形になるその日まで、絶対に諦めるもんか。