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虫が実は他の惑星から来た人類みたいな存在だったら、という妄想。 -
僕は空を見上げて遠くの故郷を思う。
僕たちの星はかつて青く美しい星だった。
今では見る影もなく、汚染され続けた星は枯れてしまった。あの星は今、ただひたすら荒涼とした大地が広がっているそうだ。映像だけは流れてくるけれども、地球はもはや居住のできる惑星ではなくなってしまった。
僕たちは地球から月へ、火星へ、そして今はまた新しく発見された星への移住計画が組まれている。
記憶というデータだけを引き継ぎながら、とてもとても小さな機械の体で僕たちは生き続けている。
僕らはどこに辿り着き、どこで果てるのだろう。
砂塵の舞う赤い空を見上げる。
宝石のような青い星に還りたい。
「ジージジジージルルルジル(うわキモ、虫入ってきてんじゃん)」
僕の体は火星の先住民に踏み潰された。