•  息の仕方がわからなくなる、どこを走ってるのか、そもそもこの先に救いはあるのかすらわからない。そんな中でもわかるのは、背後から迫る闇に捕まったら終わるのと、それから逃げている自分ともう一人の子供がいることだった。

     精神を病み、田舎町で療養することになった自分は、古ぼけたバス停の中でとある子供と知り合った。子供曰く、町には爺婆しかいないそう。年齢が近い自分が来て嬉しいとはにかんだ笑顔が印象的だ。
     随分と遅れたバスに乗り込んで、心地よい揺れに寝てしまったのがまずかったのか。気がついたら見知らぬ館にいて、闇に追いかけられるこの始末。すぐに出なければと急くが、館全体が迷路のようになっておりどうにもならない。

     漸く館の出口を見つけ、必死に走る。光が見えた。大丈夫、助かるから、と口に出す。 
    「あ、」
     子供が声を上げる。振り返ると、その子は半身を闇にのまれていて、それで。
    「ごめんね」
     子供はバス停の中で見せた笑顔を向けた。自分の手を離して、
返信の受付は終了いたしました。
  • スレ主(pKDyVm)2022年9月15日
    ※とある人間の考えはそこで終了しました
  • コメント欄で続く系の話かー、と思ったら終わってた。終わり方が斬新で面白い。