• 雷が走るだの、矢で射抜くだのと、恋に落ちた瞬間の痛そうな描写は意外と多岐にわたる。
    だから恋は嫌だった。
    どうにも痛そうで面倒くさそうで、他の誰かのせいでそんな思いをするなんて冗談じゃないから。
    でも回避できなかった。
    あの人に出会ってしまった。
    雷?矢?冗談じゃない。
    鋭いナイフの切っ先で、容赦なく心臓をぶっ刺されたような痛みと衝撃だった。
    身体中沸騰したみたいに熱くて、全身に張り巡らせた血管全てが焼き切れてしまいそう。
    考えるだけで心臓がバクバクと暴れ回って痛くてたまらない。
    だから恋は嫌だったのよ。
    あなたに出会ったせいで、私の体はずっと痛いままじゃないの!
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