• ──あの街では必ず子どもが攫われる
    ──だから子どもたちは決して外に出してはいけないよ

    あの時の少年は大人になり、そしてあのときは入れなかった丘の上の洞窟に足を伸ばす。

    まるで少年だけを待っていたかのように洞窟も踏み荒らされた形跡も人の手が加えられた形跡もなくなく、ただぽっかり口を開けて少年を待っていた。

    「ただいま、あのときの約束を果たしに来たよ」

    洞窟の奥にある、夏になっても氷が溶けないあの場所へ足を動かす。そこには少女が眠っていた。 
    しかしその姿はもはや人間の形は保っておらず骨だけとなって…

    ──おかえり

    それが骨継(ほねつぎ)と呼ばれた少年と少女の第二の出会い(さいかい)だった。
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