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小説書いったー
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2nbuDv
2022年7月9日
「ため息をつくと幸せが逃げる」
暖かな風呂につかりながらため息をついた時、ふと頭をよぎった言葉。
逃げるような幸せがあるなら、ため息などつくものか。
ひねくれた思考でその言葉をおしのけ、俯いた顔を上げると、目の前に泡があった。
ちょうど口ほどの大きさの、中にふわふわとした柔らかいものが浮かぶ泡。
―逃げた?
どんどんと薄れゆくそれを咄嗟に飲み込む。
たった今起きたことが信じられないまま呆然とした。
試しにもう一度ため息をつく。
なんの感覚も無いまま、でも確かに口から泡が飛び出した。
また飲み込む。
そして次は自分の人生を振り返る。
これまで幾つため息をついてきた?
一体幾つの幸せがこの口から逃げ出した?
自ら追い出した幸せの重みが今更のしかかったように感じて、温めた体は底から冷え切った。
「ため息をつくと幸せが逃げる」
偉大なる先人の言葉は、無視するべきではなかったのだ。
返信の受付は終了いたしました。
暖かな風呂につかりながらため息をついた時、ふと頭をよぎった言葉。
逃げるような幸せがあるなら、ため息などつくものか。
ひねくれた思考でその言葉をおしのけ、俯いた顔を上げると、目の前に泡があった。
ちょうど口ほどの大きさの、中にふわふわとした柔らかいものが浮かぶ泡。
―逃げた?
どんどんと薄れゆくそれを咄嗟に飲み込む。
たった今起きたことが信じられないまま呆然とした。
試しにもう一度ため息をつく。
なんの感覚も無いまま、でも確かに口から泡が飛び出した。
また飲み込む。
そして次は自分の人生を振り返る。
これまで幾つため息をついてきた?
一体幾つの幸せがこの口から逃げ出した?
自ら追い出した幸せの重みが今更のしかかったように感じて、温めた体は底から冷え切った。
「ため息をつくと幸せが逃げる」
偉大なる先人の言葉は、無視するべきではなかったのだ。