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(うえお久光さんの「紫色のクオリア」から着想を得たものです。素晴らしい作品なので物理学、哲学、量子力学等に興味がある方は是非) -
僕はそんな彼女と仲良くしている唯一の人間──彼女から見るとゾンビ──である。彼女曰く「貴方は右目がぶら下がってて、頭から頭蓋骨がはみ出してる。要するに、どこにでも居るただのゾンビね」とのことだ。
ある日の昼休憩。いつものように部室棟のベンチでパンを頬張っていると、彼女がやって来た。
「ねぇ、貴方はどうして私の話を信じるの?」
「どうしたのさ、急に。……信じるも何も、そもそも疑いようがないじゃないか」
そう、疑いようがないのだ。何故なら、彼女の瞳に映るものが彼女以外には分からないように、僕の瞳に映るものもまた、誰にも証明することはできない。
「だから、僕は君の話を信じるしかないんだよ」
そう言うと、彼女──僕から見るとただの骨──は嬉しそうにケタケタと笑った。