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小説書いったー
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ZqwGA62022年7月23日世に流行り病いあるという。我、人里から離れた清冽なる空気の森の中にありて、流行りとは無縁なり。然しながら、我も人恋しと思う夜もあり、人里への想い断ち切れぬ。ついにはお姫様の格好をして人里に、そして都へと至る。都人、みな口を覆て暮らす。我も其の真似をする。我の顔隠れ、素性問われることもなし。悠々と都にて暮らす、不自由はなし。都人、時に病に冒されて死して焼かれる。其の煙眺めて我も、哀悼の意を覚ゆるが、この都の夜の灯り見ては、もはや森に帰れぬ。流行り病いに紛れて我は都に居場所を得たり。我は流行り病に救われしか、我こそ流行り病の化身なるか? -