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小説書いったー
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HD/I4K
2022年8月12日
病院内の売店で見つけたオモチャの黒電話。古いドラマでしか見たことのない形のそれに目を引かれたのは、色が彼のスマホと同じな事と、添えられた紙に書かれていた言葉のせいだ。
これは魔法の電話です。あなたが一番聞きたい人の声が流れます。
魔法なんてある訳ない、理性が否定しても電話を買ったのは、それだけ心が追い詰められていたからだ。
隔離病棟に入院している彼。病状は落ち着いたらしいのに、面会できるのは未だにご両親だけだ。
会いたい、話したい、抱きしめたい、
言葉と気持ちだけが募っていく。だから。
部屋の机に置いた黒電話は、けれど今夜も沈黙している。
「やっぱり、魔法なんてあるわけない、よね」
オモチャを指で弾いた、途端。
鳴り響いたのは彼のスマホの着信音。私のスマホではなく、確かに目の前の黒電話から流れている。
私は震える手で受話器を取り、耳元にそれを持っていく。
そこから流れてきたのは、懐かしい、本当に懐かしい、彼の肉声だった。
返信の受付は終了いたしました。
これは魔法の電話です。あなたが一番聞きたい人の声が流れます。
魔法なんてある訳ない、理性が否定しても電話を買ったのは、それだけ心が追い詰められていたからだ。
隔離病棟に入院している彼。病状は落ち着いたらしいのに、面会できるのは未だにご両親だけだ。
会いたい、話したい、抱きしめたい、
言葉と気持ちだけが募っていく。だから。
部屋の机に置いた黒電話は、けれど今夜も沈黙している。
「やっぱり、魔法なんてあるわけない、よね」
オモチャを指で弾いた、途端。
鳴り響いたのは彼のスマホの着信音。私のスマホではなく、確かに目の前の黒電話から流れている。
私は震える手で受話器を取り、耳元にそれを持っていく。
そこから流れてきたのは、懐かしい、本当に懐かしい、彼の肉声だった。