• 子ども達の笑い声が聞こえる。
    公園の側を通りかかると、そこでは小学生の子ども達が賑やかにわらべ歌を口遊んでいる。

    かってうれしいはないちもんめ──

    花一匁。
    私は聞き馴染みのあるその歌に足を止めた。
    暫く観察していると、ひとつの法則が見えてくる。行ったり来たりする子は大体決まっていて、残る子も大体決まっているのだ。

    この遊びにはいい思い出がない。
    友達は頻繁に「あの子がほしい」と指名され、繋いだ手を離れて行った。
    私はいつも残る側もだった。
    残酷だ。
    歌の歴史がどうという以上に、もっとリアルに生々しく、自身に突きつけられる人気の可視化が残酷なのだ。

    子ども達の中の、残されがちな子に自然と目が行く。
    大人になっても状況こそ違えど同じような疎外感を味わうことが多々ある。過去の自分と重ね合わせつつ、私は気がすむまで子ども達の花一匁を眺めていた。
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