• 最近、家族に違和感がある。パパもママも優しい。厳しいときもあるけど、嫌いじゃない、だけど。
    本当の子どもじゃないんだって、鏡を見て思った。似てない。お姉さんに話したら、今更なによ、とため息された。
    部屋にある大きな鏡。嫌な現実を浮き彫りにする。僕はがんばってもパパ・ママのようになれない。どうしてこんな姿に生まれたんだよ。努力したって無理だよ。家から出たほうがいいのかもしれない。ドアノブを見つめ、悲しくなった。

    扉があく。入ってきたパパに思わず飛びついた。ママが驚いてる。だけど、僕はなくしかできなくて。
    「具合が悪いのかい。明日、病院行くか?」
    「ごめんね、わからなくて。私たちも猫だったら、良かったのに」
    「人間も猫も、親子はそんなものかもな」
    お姉さんが、ニャーとないた。そうか。お姉さんもだったんだね。パパ・ママもみんな、同じ悩みをしていたんだ。

    僕は猫で、猫と人間の家族がいる。姿や血は関係ない。この家族を大切にしようと思った。
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