• EIdnWw10月21日
    テレプシコーラ第二部
    バレエを題材としているが山岸作品特有の複雑すぎる人間模様や製作時の社会情勢を組み込んだ緻密な作風が持ち味。
    第二部はローザンヌ国際バレエコンクールに焦点を当てているので主人公姉妹の思春期を辿った第一部と比べて作風はマイルド。
    ヒロインは可愛げのある親しみやすい性格で個人的には好ましいが、バレエ経験のある読者からはメンタルと詰めの甘さを指摘されており作中でも指導者からバレエを本格的に学ぶにあたって致命的な短所と言及されている。
    作者の山岸凉子先生が非常に博識で料理から着物から歴史など多岐に渡る雑学の知識も自ずと身に付くが、こちらも例に漏れずいろいろな知識が入ってくる。特に食べ物の描写が秀逸でブロンデルの店舗が日本にあるうちに食べられなかったことを未だに後悔している。
    第二部で気になるのがヒロインがもらったラッキーグラスと呼ばれる草の入った石のお守り。たぶんデンドリックアゲートかなと思うんだけど検索しても出てこない。