最近、「脱薬」だとか、専門知識も国家資格も持たない人が医療的な話を断言しているのを見かけて、本当に怖いと感じています。
そして、それを信じてしまう人や、安易に乗っかってしまう人がいることにも危機感があります。
医療の世界にいる人間は、学生の頃から徹底的にホスピタリティや倫理観を叩き込まれます。
その結果、医療者が社会に出る頃には、一般の価値観とはまったく違う“医療者としての人格”が出来上がっています。
医療は押し付けるものではありませんし、そもそも医療行為を押し付けてはいけないという大前提があります。
だからこそ、医療者は「知らない人と戦う」「相手をねじ伏せる」という発想を持ちません。
業界の性質上、そういう価値観が育たないのです。専門家自体があえてそれは間違っていますよとか、言うこともリスクが高いのでしないでしょう。そもそも、前線で勉強をして医療行為を行っている人たちは、インスタだとか、SNSを除く暇もない人達がほとんどです。プロが何も言ってこないんだから、この発信者が言っている事は本当なのかもしれない、都合が悪いから騙しているんだと感じるのは勘違いだと思います。
今の日本には、嘘の流布(デマの拡散)そのものを直接取り締まる単一の法律はありません。その結果として他人の権利を侵害した場合、名誉毀損罪や信用毀損罪、偽計業務妨害罪などの刑法が適用されます。虚偽情報を流す行為は3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処される可能性がある、重い刑事罰の対象です。ですが、SNSを見て、影響された人が、自分に何か不利益があったとして、発信者を訴えるまでの考えは日本人にはないでしょう。結果発信者は自分の不安や、偏った思想が、他人を害したとしてもそれを知ることはありませんし、それを信じた結果自分が健康被害を患ったとしてもそれをその発信者のせいだとは思わないでしょう。
だからこそ、専門知識のない人が無責任に医療的な言説を広め、それが広がってしまう現状に強い不安を覚えています。あくまで医療的なことで対処しきれない現代病も沢山ありますが、安易に薬や医療行為を否定する人たちを見てほんとに恐ろしいなと思います。
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