• ZVARAY2月23日
    エル・スール/アデライダ・ガルシア・モラレス
    同名映画を見たので原作を読んだ。
    娘視点で父親との関係を描いた作品だが、映画と小説で解釈が違った。映画で見た時は娘の感情を現在進行形で追っていく描き方だが、小説だと回想録であることも手伝って一歩隔たりがある。娘が冷静にみえる。
    母親とのコミュニケーション不全も気になった。娘の孤独が際立って感じられる。
    映画でカットされた後半部分はメロドラマにもなりそうな展開なのに、人との関わりは腹のうちにしまっておかれて、大きな波乱もなく終わる。
    このままでいいような、少し寂しいような、不思議な読後感だった。
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