• lb8f0i3月19日
    尊敬するわたしの先生が変異して何年も経った。
    研究を引き継げるのがわたししかいないことを利用して、わたしはこの数年間、先生を独り占めにできた。
    ひそかな、ひそかな幸せだった。

    でも今日、最終段階になってしまった。
    明日の早朝に処分する、と上から言われた。
    先生はやっと奥さんと同じところに行ける、きみもすまなかった、私を忘れて幸せに生きろとおっしゃった。

    結局あの女に奪いかえされるのか。いや、初めから奪えてなどいなかったのか。
    空が白み始めても、わたしは眠れなかった