• ..PW/z4月26日
    「問題を出す。ある男が目を覚ますと窓の外に太陽を見て絶望した。何故だろう?」
     友人はそう謎を投げかけながら僕を見下ろす。
    「ウミガメのスープか」
    「質問ゼロでも答えられそうだけど入門には良い問題だろ」
    「どうかな」
     頭の横辺りをまさぐる。こつんと目的のものに指があたった。スマホを持ち上げてスイッチを入れる。画面が眩しい。
    「質問」
    「どうぞ」
    「男が太陽を見た窓は西にありますか」
    「イエス」
    「男はその日、約束がありましたね」
    「イエス」
    「男はそこから挽回できると思いますか」
    「さぁ? では解答をどうぞ」
     体を起こしベッドの端に座る。伸びを一つ分の間をおいて僕は答えた。
    「男は友人に会う約束をしていたけど、部屋に西日が入ってくるくらいの大寝坊をしたので絶望した」
    「おめでとう大正解」
     やる気のない拍手付きの棒読みな賛辞だった。
    「まずはごめん。それからもう二度としません、多分」
    「奢り一回で許そう。まったく、事故とかじゃなくて良かったよ。あと鍵はかけとけ」