• twNP5D5月12日
    なんという不運な人生だったのでしょう…まさに美人薄命。少し食い意地を張ったばかりに毒殺されるなんて…姫は儚い身の上を恨めしく思いながらこの世のものとは思えぬ美しい花畑に佇んでおりました。川の向こうから母の呼ぶ声が聞こえます。あぁなぜ死別した母が。そうか此処が天国か…と思った矢先。
    「まだ君をそちらに行かせるわけにはいかない」
    聞いたこともない少年の力強い声。目覚めれば…光り輝く方陣の上に姫好みの美少年が居たのでした。
    「死者蘇生に必要なのは技術じゃあない。万人に許されるか否か。神さえも頷く大義名分さ。君の反魂に成功したのは君が愛されていたから。望まれたからだ」
    しかし少年は困ったように笑って言いました。
    「反魂術の特徴は成功しようが失敗しようが決して元通りの姿では甦らないこと…全く別の何かになってしまう点なんだが、これでは本当に生きてるのと何も変わらないな。死後硬直も無いし完璧に近すぎる死霊術というのも、なんだかつまらないね?味気なくて」
返信の受付は終了いたしました。