• hMUpl/6月24日
    『デミアン』

    ドイツとアメリカは似ていると思う。青くさく荒削りで、理想を追い求めすぎるという点において。ドイツ小説は成長をやたらと切望しているなと思った。あと、自分とはなになのかについて知りたがっているような気がする。

    デミアンの小説の形式自体は好きじゃない。物語が単なる作者の持論をぶるものになっているから。というか、最初から答えが作者の中で決まっており、読んでいる側に全く選択肢や自由がないという点においてこの形式の小説はすごく嫌い。ただ読めた。普段の自分なら不満に感じるだろうなと理解したうえで、不満に感じなかった。

    持論をぶる場面では醒めたけど、それでも基本的に書いてる内容はアルジャーノンとかと同じで普遍的な内容、人間が成長するにあたって普通なら経験するであろう通っていくであろうことを書いているので、読みやすいと言うか共感しやすくはあるんだろう。子供や学生とかがこれを読んだら、これは一種のガイドブック的な立場になるかもしれない。
返信の受付は終了いたしました。