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それから暫く経った頃じゃろうか、。ますます村は荒れ、人がいなくなるかと言う中で若者が獅子を連れて帰ってきた。
山を越え、谷を越えた先でようやく見付けた獅子はそれはそれは立派な鬣を持ち穏やかで賢い目をした見事な姿じゃった。
獅子は大地を震わす程の咆哮をあげた。
するとどうじゃろう。あれ程暴れていたけもの達は大人しくなり枯れた土地はたちどころに風が吹き草木が茂り作物が実るまでになった。
それを見た村人達は「わしらが間違っておった。あの獅子さえ消せば良くなるとは限らんのじゃ。」
以来、間違いを起こさぬ様に新たな獅子と共に村と命溢れる土地を子々孫々に渡り守り続けたそうな。いつしかその村は獅子と固い友情を築き上げた立派な国になっていたそうな。
どんとはらい。
現実にあったライオン被害の為に残らず駆除したらより悪化したので再導入した話を元に昔話風にしてみた。 -
度々村に現れては村の生き物や人々を食い荒らし恐怖と血に染めたそうな。
ある日堪り兼ねた村人達が果敢に挑み苦戦の末についに恐ろしい獅子を打ち倒した。
「ああ、良かった良かった。これでようやく安心じゃあ。」 誰もがそう思っておった。
ところがどうじゃろう。その日を境にけものは狂った様に暴れだし土地は枯れ草木や作物は育たぬ様になってしもうた。
「これなら前の方がマシじゃった」「その日の暮らしさえも厳しくなってきおった」「村は終いじゃあ」そう言うと村人達は困り果てておった。
「おらがやる。新たな獅子を探して連れて来るだ。」若者はそう言うと旅支度を済ませ旅に出ていった。