OK
  • 黒い空が、窓にかかる白いカーテンの明度を落とす。
    暇を潰そうとタブレットの電源を入れ、様々なサイトを複数タブで開きながらメモに書いていると、ふと音が聞こえた。
     時計の音。室内には二つの時計があり、片方は古めで音が大きい。もう片方はデジタルであり、音は控えめだった。
    その音だけが響く部屋に、時折冷蔵庫が稼働する音が混ざる。
    音の少ない室内に、寂しさを少し感じたのは自分だけだろうか。室内には二人も家族がいる。しかし誰もが無言で、画面の文字を眺め、動画を倍速で視聴し、画像に一瞬見入るだけだ。人がいるのに、機械の音しか響かない「無音」の空間。
    その空間にキーボードに指を置く音が増え、防災無線による時報が増え、しかし途切れて行く。
     各々が好きなことに没頭できる時間は意味のある時間だとは思うし、一つの部屋に数人集まっているだけでも仲は良好だろう。
     しかし自分は、その中にさらに音を増やしたい。重そうに秒針を動かす音も聞こえないほどの、楽しい音を。
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