保守
危うく世界が消えるところだった

■■■■年前に異常成長した桜の枝が天を覆い、地を花びらが埋め尽くした。
桜の海に溺れる前にシェルターに逃げ込んだ人々は花びらからエネルギーを抽出するマシーンに頼って生きている。
青空という言葉があった時代は、もはや遠い過去だ。

清潔を保つためのシャワーの時間が昔は温水だった、源泉かけ流しのところもあったって話をしたら、若いのは皆ビックリしてたよ。今の時代は湯沸かしもなければ、温泉なんてどこも枯れてしまったからね。水を得るのも一苦労だから、シャワキャン界隈なんてのもあるらしいね。温かいお風呂は本当に良いものだから、何とか若いのにも体験させてあげたいものだよ。

まだ外来種が他の国から来た生物を指していた頃に戻りたい
まさか地球外から来た生物を外来種と呼ぶのが普通になる日が来るとは思わなかった

暖かかったぬくもりも、懐かしく感じる。
なんどもそんな言葉は聞いたが、直面して改めてその言葉の深みを知った。

瓦礫だらけで人もみんなシェルターに逃げ込んで、明日生きてる保証もないけど、それでも桜を見れただけ幸せなのかもしれないな

まだ4月に入ってないのに気温が58度を指していて絶望してる
このペースの温暖化じゃ火星の整備が済む前に全人類の64万人が先に滅亡しそう…

花粉症辛い。昔なら目薬や鼻うがい、飲み薬なんかで症状を抑えられたけど今はなーんにもない。
くしゃみして鼻水が出てきてもそれを拭き取るためのティッシュも随分前に使い切ってしまった…
こんな惨めな生活を強いられる元凶となった○○星人を赦すな。

ゾンビが目の前で焼けて死んだ。どうやら日光が弱点なようだ。

北のシェルター住みなんだけど、西のシェルターの定期連絡が途絶えて上がピリピリしてる
自分でもこっちで確認してみたら西のシェルターの友人のアカウントがどれも同時刻ぐらいからピタッと動きが止まってた
西のシェルターが落ちた？無事で居てくれ！

一見いつもと変わらない世界に見えても終末は刻一刻と近づいている。それが分かるは特異な感性と体質を有するごく一部の者だけだ
くっ…今日も世界が軋む度に左目が疼く…やれやれ、選ばれた者は辛いな。理解されなくても密かに世界を守らなきゃいけないんだから

もうご飯が見つからないよ　今日行った建物も缶詰めのゴミしかなかった

おじいちゃんがナウなヤングだった時にはバイオ？とかいうゾンビを倒すゲームが流行っていたり、ゾンビが出てくるアニメや映画が沢山あって、ゾンビは娯楽作品の中の架空の存在だったんだって
今じゃ避難施設の外はゾンビだらけで、わざわざフィクションを見なくても現実の掃討隊の人たちが施設の周りのゾンビを倒しているのに
だから僕は見る気がしないや
仮に見ようと思ったところで、そんな娯楽に使える余分な電力はないんだけどね

ところで、ナウなヤングって使い方はこれで合ってるの？
昔のマブいギャルはこういうイカした言葉を使っていた、っておじいちゃんに教えてもらったんだ

くそ！ヤツら、靴に化けて…！
ああ、同じテントのヤツがやられたんだ！いつものように靴を履こうとしたらこれだ！くそったれ、ヤツらの知能の進化に追いつけない！対策本部は何をしているんだ！
ああ、医療物資が、もう……ああ、ああ、今、薬と包帯を"盗って"くるから、だから耐えてくれ……！これ以上現場の人間が減ったら、いよいよここのテントも……それだけは阻止しないとならねえ！！

もうすぐ4月でも氷河期には関係ない
桜という樹が咲いてる所を見てみたい

ドームに取り残された住民は徐々に減り、宛のない救助を待つ為私は量子データになった。皮肉だけど今は助けなど要らない気がしてる。栄えていた人類の記録が今は自分の世界としてここにある。汚れた世界など振り返らず、美しい思い出を繰り返しなぞって此処で朽ちていいとさえ思う…。

じいちゃんがゲームって呼んでた小さい板の遊び方が分からなかったがたまに綺麗な絵がついてる物があるから集めてた
これを立てて沢山並べて倒すとかなり遊べる事に気づいた
今ではかなりの規模広げられる…見てるか天国のじいちゃん！

その場所に匂いがつくと奴らが襲って来やすくなるから寝る場所を数時間事に変えてるけど寝不足気味でつらい。
一晩ぐらい熟睡したいけどそんなことしたら永遠に眠る羽目になりそうだから出来ない…

畜生ォ、この先に行けば人工肉培養プラントがある筈なのに…なんだってイカレた戦闘用アンドロイドがこんな所をうろついてやがる
…こちとらもうヘトヘトで残弾も乏しいのにやるしかないってのかよ！

ラグナロク余所でやれ