スレ主
「保守します」
今日も誰かが書いた文字を自転車で運ぶ。しばらく薄紫色の道を走ってから、彼は目的地に辿り着いた。今は誰もいない路地。その突き当たりの白い壁に、運んできた文字をぺたりと貼り付ける。
正しい文字の並びになっているか、文字の形がずれていないかの確認を終えて頷く。今日の仕事はこれで終わりだ。再び自転車に乗り、彼は帰路を辿った。
行きと違い、さまざまな文字を目にできるこの道が、彼は好きだった。色々なニンゲンの感情が壁に書かれている。それは誰かに宛てた手紙のようでもあり、まどろみの中に佇む一人の呟きのようでもあった。ただ一つ違うのは、「ほしゅ」「保守します」の文字だ。先ほど彼が運んで貼ったのと同じような意味合いの言葉を目にするたびに、彼は書き手のことを考える。