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芽吹いた"それ"がある程度以上に成長──すなわち一定数以上の人々の目に止まりさえ──すれば、そこからはもう半ば自動的になる。
新しい怪異の情報は瞬く間に広まり、共有され、さまざまな要素が付け加えられ、『怪異としての形』を整えられていく……。
神代に於ける神々とはこれに信仰を加えたものだったのだろう。
……で、あるならば、だ。
メリーさんという怪異も巧く運べば神性を得ることができる……とは思わないかね?
もっともらしい偽りの由来を述べて、神の裔なのだと信じるものが増えた時……果たしてメリーさんという存在がどの様に変化するのか……いや、実に愉しみだ。
(中田譲治さんの声を想像してください) -
イギリスの『エミリー』スペインの『指輪』、本邦でも『リカちゃんの電話』等がある。
なのに何故、『メリーさん』だけがここまでメジャーになったのか?
……それはひとえに電話というガジェットの存在が大きなポイントだと私は思う。
ああ、言いたいことは理解っている。
『リカちゃんの電話』もそうだ、と言いたいのだろう?
より正確に言うのならば、電話が"各家庭に一台しかなかった時代"と異なり、今のように大半の人間が端末を手にし、気軽にネットへと接続できる環境こそ、『メリーさん』という怪異譚がここまで広まった最大の理由なのだと思うのだよ。
そしてそれは、なにもメリーさんに限った話ではない。
いまこうしている瞬間にも、何処かで新しい怪異は産まれているのだ。