スレ主
いつから彼女が"そういった存在"になったのか、それは誰も──おそらくはとうの彼女本人ですら──知らない。
あるいはそれは、彼女の両親が事故で亡くなった時かもしれないし。
彼女を引き取った母方の祖母の所為かもしれないし。
幾度となく流れていく夜と時間の狭間で、クリスマスという概念が汚れ始めたその時からかもしれない。
いずれにせよ彼女が気づいた時、すでに彼女の居場所は"この世界"には無かった。
影。
人の背後に憑いて廻る名も無き影、それが彼女の全てだった。
名も無く実体も無く自らがいるべき場所も無い。
空を、海を、大地を征く人々……それらの背後に降り立ち彗星の尾のように人から人へと背後に憑いて廻りながら。
様々な人がいた、様々な人を見た。
様々な土地へ行き、様々なものを見た。
美しいものがあった、醜いものがあった。
賢いものがいた、愚かなものがいた。
しあわせを、ふしあわせを、清らかなもの、汚濁に塗れたものを見た。
──いずれも彼女には関係がなかった。