部屋デート　彼女は白いサンドレス
カレーあるけど
ええと、どうする？

もう8時
信じられるか？
一日の3分の1が既に終わった

流れ落つ汗を拭ったその紙で鼻水をかむ
水が消えてく

薄まったコーヒー持ってエレベーター三階までに全部飲み干す

定時退勤 してカフェで 履歴書を
書いてる時の心地の悪さ

こづかいをためておともだちときたの
おとなになったらもうかえらない

エアコンの効いた部屋から出た時の押し寄せてくる「夏」の猛勢

ねえ私誕生日なの今日くらい
♡じゃなくてRTして

フリー券　着替え　ペット茶　文庫本
かばんにつめてドア横に置く

ちゃんと好き そう言ってたあなたの声が
ちゃんと好きだったに変わった日

明日の朝、どこか遠くへ連れてって
君の返事をベランダで待つ

適当に作り始めた朝食が
手癖でカレーになってしまった

道をゆく老若男女に自我があり人生がある
なんか不思議だ

大金があれば都会のマンションで
毎日カレーを食べて生きたい

笑み嘆き喜び憂い泣き楽し
耳をつんざく　人の鳴き声

右上の　赤い残量　1ミリが
眠れとわめく　それができれば

ねこの足　床に貼り付きペタペタと
歩む足音　その音だけで

疲れずに行ける範囲で
人のない、人に遭わない場所はもうない

自販機で迷わず水を買って飲む
きっと大人になってしまった

梅雨明けはそろそろだろう公園の木々から響く蝉の合唱