しりとりで小説作ったー

2022年7月9日に作成 #ネタ
しりとりで小説を作りましょう!
多少話に整合性が取れなくても大丈夫!気軽にどうぞ!

NGは中傷など倫理に悖るもの
その他しりとりのルールに則っていないものや、単語のみもNGです
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  • 少しだけ微笑んで、シオンは後部座席へ乗り込む。
    ゼノが指紋認証システムを作動させ、ホバーヴィークルの反重力エンジンが再びかかり出す。
    中庭から浮き上がったところで、事態に気が付いた執事がかけてくるのが見えた。
    「いいのかい?」
    答えがわかっていながら、ゼノは聞く。
  • 「上の世界に行きたいんだね? いつも見上げている」と、ゼノ。「あそこまでは飛べないけれど、少しドライブしよう」。シオンを機体に促す。
  • ぶどう色の瞳で彼女はゼノを見る。
    ルックスも性格も素敵な彼にシオンは憧れているし、惚れている。が、それは顔には出ない。
    この時ばかりは表情筋が固くて良かったと心底思う。
  • 誰もいなかったはずの中庭に、反重力エンジンを唸らせて空色のホバーヴィークルからひとりの青年が降り立った。
    「また、空を見ていたのかい?」
    にこやかに問いかける青年の銀髪が、キラキラと太陽の光を反射して輝いて見える。
    「ゼノ……」
    消え入りそうな、けれどあたたかみを持った声で名前を呼ぶ。
  • 高い高い空を中庭から見上げている少女がいた。
    あぁ、自由になりたい…と手を伸ばす。
    優しい風が吹き、腰まである茶色の髪が揺れる。
    「シオン」
    少女は振り返った。どうやら彼女の名前は、シオンというようだ。
  • 一方その頃──別の世界、別の時代、別のキャラクター達が織り成す、全く違う物語が始まろうとしていた。
  • 束の間、世界はぐにゃりと変異した。その結果、高田とハルカはあの日の白木屋にいた。ハタケヤマがジョッキを持ってくる。二人で乾杯をした。世界はすべてもとに戻った。二人は世界の片隅の居酒屋で、ささやかな幸せを祝った。
  • 「高田くん、ナイス〜!」
    ハルカは右手でグッドサインを作る。
    「これで取り戻しやすくなったか?」と聞くと、彼女は微笑みながら頷いた。
  • 「か、勝手に、何を考えている!?」と、高田の行動に気づくハタケヤマ。しかし、もう遅い。ガッチリ掴まれ、思い切り鬼ゴリラに向けて投げ飛ばされた。鬼ゴリラは避けることなく弾き飛ばそうとする。しかし、衝突と同時に突然、赤い光が輝いた!
  • 「よ、よし!」と意気込む高田。だが、頼みの背負い投げは上手くいかない。どうすれば──と辺りを見渡すと、固まったままのハタケヤマの姿が目に入る。
    (こいつを鬼ゴリラに向かって投げ飛ばしてみるか……!?)
  • 「嘘だろ、もうハタケヤマがいる…」と高田は指をさす。
    ここにいる全員が今の状況に驚いているようで、しばらく沈黙が続く。が、それを破ったのはハルカだ。
    ビーナスを取り込んだお陰だろうか。
    「高田くん。ひとまず、このゴリラ刑事を倒すよ」
  • 「一時撤退だ!」高田はハルカを連れて、すぐそこにあった酒場に駆け込んだ。と、そこは白木屋、そこにはハタケヤマ。ハタケヤマも驚いて「そんなすぐ、来る?」と普段の口調を忘れる。ゴリも追って入ってきた。なんかまたこの状況!
  • 高田はゴリラ刑事に背負投げをするが、やはり上手くいかない。
  • ハタケヤマはその様子を、ひとり白木屋のテーブル席に座り、タブレットで見ていた。氷の溶けたレモンサワーを一口飲むと、席を立って言った。「すべての終わりの時がきた」
  • 薄々気付いてはいたのだ。無意識に棍棒男を背負い投げた、あの時から。背負いの鬼。そう呼ばれた瞬間、高田は全てを理解した。そうだ、俺は──!
  • 「ムダ、ムダ、ムダ、ムダ、ムダァー!」。指で弾丸をつまみ出す鬼ゴリラ。やはり鬼にしてゴリラ。フラグがやばいと思ったら、一気に距離を詰められる。振り下ろされる拳。弾かれるように離れて逃げる二人。ハルカが唐突に叫ぶ。「何とかして! あなたも『背負の鬼』なんでしょう!」
  • 「でも、ハルカはビーナスを取り込んでるんだろ?あいつ、強いし大丈夫だ!」
    「も〜〜っ!!!それも!それも、フラグなの!高田くん!今は喋んないで!」
    ハルカにそう告げられ、高田は落ち込む。
  • いきりたつ人間ゴリラ刑事……もとい、鬼ゴリラの頭を撃ち抜くハルカ。
    「やったか……!?」
    「高田くん、変なフラグ立てないで!」