しりとりで小説作ったー

2022年7月9日に作成 #ネタ
しりとりで小説を作りましょう!
多少話に整合性が取れなくても大丈夫!気軽にどうぞ!

NGは中傷など倫理に悖るもの
その他しりとりのルールに則っていないものや、単語のみもNGです
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  • 高い高い空にある、上の世界。いつか行ってみたいと、行けば自由になれるのではないかと思っていた場所。そこから落ちてきた、人──。
    「シオン!行っちゃダメだ!」
    ゼノの制止を振り切り、シオンは走り出す。
  • 「嘘だろう?どうしたのかな、シオン」
    薄笑いを浮かべるゼノ。一歩二歩とシオンは後ずさる。
    今までの自分の知っている彼じゃない気がして、シオンは恐怖に身を包まれた。
  • 「……立って。このまま中庭まで戻ろう」
    問い掛けには答えず、そう促すゼノ。不安を感じたシオンは、思わずゼノの腕を振り払う。
  • 問いかけてみよう、ゼノに。
    「ゼノ…、どうして見たらいけないの?」
    目をそっと閉じながら聞いた。
  • 暗い表情で「見てはいけない。目を閉じるんだ」とゼノ。思わず目を閉じるが、それでも気になり、少し目をあけて空を見ると……落ちてくるのは、翼の生えた……人?
  • ハッとしたゼノは、シオンの腕を少し強く掴む。
    思わずゼノの方に視線を動かす。
    「…ゼノ?どうしたの…?」と聞いても、なかなか答えない彼に不信感を抱く。
  • 違和感を覚えたまま、何となく上の世界を見上げる──と、何かがこちらに向かって落ちてくるのが見えた。目を凝らすシオン。あれは……。
  • 勘違いをしたのかもしれない、ゼノは優しい人だ…とシオンは自身に言い聞かせる。が、怖さが拭いきれない。
  • 食べかけのサンドイッチを拾うゼノ。先ほどシオンが落としてしまったものだ。謝罪すると、ゼノは「気にしないで。まだたくさんあるから」と笑った。先ほどまでの違和感は、ただの錯覚だったのだろうか……?
  • 金縛りにあったのではないか?
    そう錯覚してしまうくらい、体が動かない。
    シオンは何とかして、体に力を入れようとする。
  • 一瞬、ゼノの瞳が妖しく光ったような気がして、シオンは食べかけのサンドイッチを地面に落としてしまった。
    「……どうしたんだい、シオン」
    いつもと変わらない優しい声。なのに、どうして。──怖い。そう感じてしまうのだろうか。
  • 「うん」と小さく頷く。
    もしかしたら今まで、かっこいいなぁって思っていたのがバレているかもしれない。
  • 食べながら、シオンはゼノの様子を伺う。……聞いてみようか。先ほど疑問に思ったことを。
    「……どうして」
    「ゼノは私に優しくしてくれるの、って?」
    シオンはサンドイッチを手に持ったまま固まった。何故、自分の考えていることが分かったのだろう。
  • 「軽食にと思って、サンドイッチもある。食べるかい?」とゼノはまた優しく微笑む。
    シオンの表情筋は固いが、自然とフワッとした笑顔を見せる。
    「ぜひとも」
    相変わらず、細い声だが嬉しそうだった。
  • 俯いたままでいると、ゼノが「ははっ」と楽しそうに笑った。心の中を見透かされているような気がして、シオンはますます何も言えなくなってしまう。
    「シオン、着いたよ」
    気が付くと、目的地に到着していた。目の前に広がるカモミールの花畑。
  • 「カモミールのお花畑…見てみたい」と透き通るような声でシオンは言った。
    ふと、彼女は思った。何故、ゼノは自分のワガママにいつも嫌な顔せず、付き合ってくれるのだろう…と。
  • 雲を見上げながら、シオンは小さく頷いた。ゼノは「だよね」と笑い、そのままホバーヴィークルを限界まで上昇させた。
    「さぁ、今日はどこまで行こうか?」