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――闇だ。ただ、闇が広がっていた。
幾度瞬きを繰り返せど、何も見えぬ闇の中へたまらず張り上げた声に返すものもいない。
静寂が針のように耳に突き刺さる。
その、耳朶を。突き刺さる静寂から逃れるために塞ごうとした手を押しのけて、唐突に、何かを思い出させるように。ひゅう、と氷のような息吹が撫でた。
ああ、観察されているのだ、とおれは思った。
こういう文字だからこそ静かに、ひたひたと迫り来る文章を目でなぞりながら背筋を震わす体験って力量のあるホラー小説じゃないと得られない -
ひたひたと迫り来るような恐ろしさがある作品を書く人、文体は軽妙なのにきっちり幽霊を理の違う存在として描く作品を知ってるから