• ANGELYC70J52月2日
    【黒歴史の運び屋】

    目が覚めると全ての記憶を失って天使になっていた。
    「天使になったからには良いことをしなければならない」と考えた天使は、人々の忘れたい記憶を世界の果てまで運んで捨てる仕事?を始める。

    名前はいらないと思った。特に必要ないから。
    翼はリュックにあげた。少しでも沢山の記憶を運びたいから。
    時間がたつと元は空色だったリュックは人々の想いでだんだん黒く染まっていった。それでも天使は記憶を運び続けている。

    勇者の仲間になった今は、記憶を喰らう者に集めた黒歴史を投げつけている模様。
    果たして本当にそれは食べられているのか?
    それは記憶を喰らう者と神だけが知っている……多分。