• S.T.カマンザ『やさしい機械』
    人間達の生活を支えるべく日々高性能であることを目指す機械もあれば、あえて人間達の手を借りねば機能しない「助け合い」の精神を忘れないでいることを目的に設計された機械もいた。
    後者は"優しさ"を指向し情報を集積する内に想う。
    「今は支えられてばっかりのボク達だけど、いつか本当に、この人達の力になれるように頑張らなくちゃ!」と。
    そうして人間達の生活に寄り添い続け、永い永い月日が流れた。
    「いつも助けて頂きありがとうございます!」「ボク達まだまだお役に立てるよう精進致します!」
    そこには高性能な機械にお礼を言い「助け合い」を続ける機械達の姿があった。利便性の強化の果てに高い自律性を獲得した高性能な機械達は、絶滅してしまった人類の代わりにこの健気な機械達を導く新たな存在として自分達を定義した。やさしい嘘をつき続ける為に。
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