• 祖父が亡くなってしばらくしてからのこと。
    祖父の部屋の前を通りかかると、ドアの磨りガラス越しに腰の曲がった人間の黒い影が脚を動かさずにウロウロと移動していたのが見えた。
    祖父とは嫌な思い出しか残っていないので、正直、まだいるのか……とゲンナリした。