• 木篠咲さんの短編集「海の色は何色」の中にある一編「ムラサキ八日」。この時期になると読みたくなる。
    図書館が居場所みたいな女の子と、雨の日だけ図書館にやってくる天真爛漫な女の子との小さな友情の話。
    梅雨の時期、花壇の紫陽花が満開になる頃から始まって、紫陽花の花が終わって梅雨が明けるまでの八日間の景色のしっとりして細やかな描写が、登場人物の揺れ動く微かな心情ときれいに重なって、読んでいて気持ちいいんだよね。梅雨が明けて青空が広がっているのに、ちょっと切ない終わり方なのも好き。
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