ドワーフ族の朝は早い。
先ずは朝起きたら身体の鈍りを取るために準備運動。
昔ドワーフ族の英雄が、「良い作品は良い肉体から生まれる」って唱えて始めたらしい。
次に、鉱山から送ってもらった鉱石の選別。
自分で掘らないのかって?
自宅兼鉱山で掘ってた昔なら兎も角、街住まいの今のドワーフが鉱山まで石を掘りに行ってたら、作業前に日が暮れちまうわ!
そして良い石を集めて石と土で竈を作り、中で思い切り熱して金属を取り出す。
石一つに付き取り出せる鉄やその他の金属なんて高が知れてるから、充分な量が貯まるまでこの作業をする。
最近の若ぇ連中は、この作業を面倒臭がって最初からインゴットで買って来てるのも居る。
判ってねえなあ、同じ鉄だのミスリルだのでも、溶け込んでる他の金属のお陰で、採れた場所ごとに出来が全然違うんだぜ?
それを込み込みで最良の組み合わせを捜すのが醍醐味だってのによー。