• 9fQtqv1月25日
    「するとここが隠し通路という事になるのかね」
    口髭を指で弄びながら老紳士は訝しげに辺りを見回す。
    線路こそないが鉄道のように左右に長く伸びた空間は、俺達が落ちてきた天井の壊れたハッチ以外にすぐ外に出れそうな場所はなかった。
    そんな時だった、ふと壁に10センチ四方の板で塞がれている箇所を俺は見つける。
    足元に落ちていたドライバーで板を固定するネジを外し、中を見ると浅い窪みの中にスイッチがひとつと、すぐ下に古びたシールが貼られ、そこに手書きの文字が書かれていた。

    「......ほげ?」
    様子を見にきていた紳士と、顔を見合わせる。