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「ネコと和解せよ」は「神」の字が劣化によって「ネコ」に相当する部分だけが残ったキリスト看板がネットミームとなったものである。この看板は風雨にさらされ形を失い、「神」との和解を促す元の働きを果たせなくなったのみならず、意図せず意味が変化してしまった。しかしその後、インターネットという不特定多数の交流する場で新たな、猫好きたちの価値観を代表する積極的意味を与えられたのである。
意味はすでに形を失った。百人が百人「意味がある」と考える価値がいくつあるだろうか。
「イミと和解せよ」は、決して意味を「再構築」せよ、と指示しない。それは、元は「神」であった「イミ」を失った、すなわち”現代人”となってしまった我々が、意味を蔑ろにした罪を認め、意味への信頼を回復すれば意味によって救われることを示唆している。
「イミと和解せよ」という警句は、カオスに動揺する世界に生きる我々にとっては、意味の復権によって精神の救済を提示する福音なのかもしれない。 -
現代は全ての価値が相対化され、真理どころか自体的意味ですら時代遅れの近代の産物に過ぎないと見られている。「ネコと和解せよ」をもじったこのフレーズは、そんな”現代人”である我々に対する警句である。