• oZ3QW06月20日
    愚者の皮

    数年前に広告で見かけた作品。
    美しい顔を失ったヒロインに対する旦那の手のひらの返しようにひどく腹が立ったものの、旦那へのざまぁ展開が気になりコミックスを買ったら予想以上に内容が奥深くてハマった。
    方言由来の特徴のある呼び方や古事記、民話をモチーフとした要素が随所に散りばめてあって「面白い作品は相当な教養と知識があってこそ生まれる」と思い知らされた。
    作者さんのブログによれば阿用の鬼という民話?から着想を得たそうだけど、ヒロイン夫妻の苗字や物語の流れから安珍と清姫もモチーフになっているのかなと予想している。

    完璧なようでいて不完全な旦那の魂の成長にはヒロインが欠かせなかった。そう考えると二人は出会うべくして出会ったのだな…。
    そしてヒロインにすごく好感が持てる。
    可憐で優しげな容姿ゆえに妬み嫉みを向けられ序盤で美しい顔を失い醜女となってしまうのだが、生まれ持った聡明さや長年培ってきた知識で逞しく道を切り開く強さに感服する。