神託で勇者として選ばれた双子の弟が、旅に出る前に亡くなった。病弱で周りからの圧もあって辛く耐えきれなかったのだろう。王も村の奴等も大変驚いていたが、それよりも慌てて「お前が弟に成り代われ」と告げられ、今に至る。幼かった俺は受け入れてしまったが、今思えばとんでもない事だ。……俺は弟の代わりに旅をしている。いつまでこんな生活続けなければならないんだろう。居ない筈の弟の名前で呼ばれるのが辛い。死んだのはむしろ、俺の方なんじゃないか？これも全て神の思し召しというのか？どうして弟だったんだ神は全知全能なんじゃないのかよ

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