• 返信先: @自分 「……俺は。10万なんて、持ってないです。見た感じでわかるかもだけど」
    「払わなくていい。つーか払わせねーよ。参加者になったら、お前がタイツ見つけた時普通に全額とっちまうだろ」
    「あぁ……」
    あくまでこの男もあの運転手と同じだという事のようだ。
    「でもどんな物かもわかってないんですよね?」
    「まぁな。でもどんなものじゃないかは結構わかってる」
    男はスマホを何度かタップして、画面を俺に向けた。カメラロールには色とりどりのタイツが並んでいる。

    「タイツを撮った画像をアプリに上げれば、判定があんだ。ここに写ってる色は全部ハズレ」
    地味な灰色、ピンクに水色、果てはど派手な黄緑まで。かなりの人数があげたのか、画像の数は膨大だった。
    「タイツってあと何色があんだ?」
    「黒とか、ヒョウ柄とかですかね。あと単色じゃなくていいなら虹色とか……」

    言いかけた時、ファミレスの窓の外を横切った影を見て俺たちは目を見合わせた。
    自転車に乗った女のその脚は、虹色に輝いて見えた。
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