• 体の贈り物 レベッカ・ブラウン
    80年代終盤から90年代前半期くらいのアメリカが舞台と思われる話。主人公はエイズ患者専門のケアワーカーで、それぞれの事情でエイズに感染した人々の世話をする。差別問題にクローズアップするわけでもなく、いかにもなお涙頂戴っぽくもなくひたすら淡々としている。生きてる人が病に侵され死んでゆく、主人公はそんな人々のお世話しかできないけれど、淡々としている分読み手それぞれに考える余地がある物語。連作短編集という感じなので、あまり読書しない人にも読みやすいと思う。