• ルシア・ベルリンの「掃除婦のための手引き書」をオススメしたい。海外文学の短編集。どの話も良い意味で冷めてて世界を突き放したような視点で描かれてて、でも生きることや愛することを諦めきれないような、人間臭い部分もある。どこかで見たような光景や、感じたことのある疲れ果てた目線。自分も似たような経験があるかもしれない、この主人公は私かもしれない…と思わせる身近で生々しい書き方がすごいし、翻訳もとにかく丁寧で見事。
    ハードカバーなのでお高いけども、海外文学好きな人はもちろん、そうでない人も是非読んでみてほしい。短編集なので比較的読みやすいかと。短いものは確か2〜4ページで終わるくらいなので。
返信の受付は終了いたしました。
  • スレ主(aLm0P3)2022年6月12日
    「愛は人を不幸にする」と母は言っていた。「愛のせいで人は枕を濡らして泣きながら寝たり、涙で電話ボックスのガラスを曇らせたり、泣き声につられて犬が遠吠えしたり、タバコをたてつづけに二箱吸ったりするのよ」「パパもママを不幸にしたの?」わたしは母に訊いた。
    掃除婦のための手引き書 p203