白い毛は品の証と思いこめだって白っていい色でしょう？

菜の花の咲く川べりにモンキチョウすっかり春の顔をしている

南からじわじわ春に冒されてサイレンが鳴る　へんしつしゃだ

花冷えが極寒気分この前の季節外れの夏日のせいで

暗闇で月に焦がれて手を伸ばす 月のあかりは彼の太陽

牢獄のようなオフィスで息をして澱んだ空気が肺に満ちる

ひとパック高すぎるって言われたらニワトリ的には涙がでちゃう

献立の決定権は我になくその日貼られる割引シール

"俳句ったー"　だと思ってて　見失い　誰かの短歌で　舞い戻れた笑

うららかな春の陽気に眠くなる酸素濃度の低い室内

実は僕今日までなんです春の日のおじぎの向こうに幸あれ未来

もうだめだプログラムの吐く文字列が心揺さぶり涙する朝

また今度明日やろうと先延ばしいつになっても明日が来ない

幸せって、こんな音なの？鈴みたいコロコロ鳴ると体が動く

AIの紡ぐ言葉に励まされ愛とは一体何なのだろう

静寂を壊してすする鍋うどん 明日など知らぬ背徳の味

母はまた親指の爪を噛んでをり私はミルクを温めてをり

若緑せんぎりキャベツのさわやかさ
世話になったなくったり白菜

疲れ果て風呂で寝落ちの午前二時ここにビールとからあげクンを

跳ねる髪体のリズム前だけを42.195キロ