陽が落ちて涼しくなったと言えるのか
ぬるいサウナのような屋外

もう私だけしかいない病院の待合室で聴くアヴァマリア

眠れずに　闇を見つめて夜過ごす　昼間はあんなに眠いくせにな

やる気さん先へ行くぞと置き手紙
尻に火をつけまず立ち上がる

撫でる手を止めるとすんとなる犬にロックオンされ予定がずれる

筋トレの痛みはあるが変わらない 形状記憶された体型

生きるのがしんどいからこそ何もせず
ただ時が経てと願ってしまう

少しだけあと少しだけとスマホちょし
気付けば時間は湯水の如く

笑ったり急に泣いたり忙しい私の心のような天候

少しずつ夏に灼かれていくように額紫陽花が色褪せていく

風呂上がり肌着姿で扇風機
アイスもあれば最高なのに

母はもう忘れているが「あんたなど産まなきゃよかった」が忘れられない

はないちご　ほっぺはみかん　毛穴落ち　陶器肌なんて夢のまた夢

昼下がり　上がらぬやる気
ため息と言い訳だけは無駄に出るのに

「ハッピーありがとう」の写真はられてて
黒くなってたソファーがあって

リズム良く紡いだ言葉並ぶ場所
片っ端からハートを送る

都民ではないのに巻き添え食らう夜　東京以外は大河流せよ

砂浜に書かれた文字をのみこんで偏っている白波の語彙

朝露に濡れた頭を　この犬は
わたしの膝と絨毯で拭く

ふと見ると そこもかしこも 育ってる
まだ青いまま ツヤあるやつら