愛したい愛されなかった愛されたい愛されないは ぜんぶ同義なの

雲間から　覗く満月　眺めつつ
　遠い宇宙に　想い馳せる夜

焼酎継ぎ足したるグラスの縁走者は労せず三塁へ進む

分かってる コアラのマーチの柄を見ず食べる私はつまらぬ人間

喧嘩したことも忘れて都合よく美化されている思い出の君

帰りがけクーポンで買ったドーナツの穴を通して眺めた世界

入れすぎた砂糖のような感覚が蝕んでいるそれも愛故

塩辛くしておけば良いと思ってる加減を知らぬコンビニ弁当

泣いているわたしに呼応するように　梅雨が明けても続く雨の日

アイス食べ　腹の中でも　積乱雲

さめざめと　泣く梅雨空に　寄り添いたい

終わらない　今日とて課題が　終わらない　いつ終わるのか　迷宮地獄…

茄子を焼き　君待つときの　愛しさよ

ツナ缶の油分を切って鈍色のシンクにかかる寂しげな虹

ありがとう　最近知った　短歌tter
日常ゆるく　詠むのにbetter

行きたくない　とても暑いし　やる気ない
早く土日よ　やってきてくれ

「すみません、よくわかりません。」を繰り返す Siri、お前は悪くないよ

口々に綺麗だったと言い合って歩いて帰る花火大会

流行の絵柄が何か分からずに兎にも角にも逆光にする

りんご飴かじる横顔薄明かり手つなぎ歩いた夏の思い出