しりとりで小説作ったー

2022年7月9日に作成 #ネタ
しりとりで小説を作りましょう!
多少話に整合性が取れなくても大丈夫!気軽にどうぞ!

NGは中傷など倫理に悖るもの
その他しりとりのルールに則っていないものや、単語のみもNGです
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  • くるりと一回転し、ルビー色のスカートをふわりと揺らす。
    「高田くんの好きなハルカ、だよ」
    彼女はそう言って、ふふふっと笑った。
  • 完全に読まれている。いつの間にか背後に立っていたハルカが、再びゾッとするような笑みを浮かべる。高田はジリジリと後退しながら「お前は、誰……いや。何なんだ?」と呟く。
  • 高田は底知れぬ恐怖を覚えた。得体の知れない「これ」と話していては、精神がもたない。そう思うや否や、間合いを詰めて背負い投げの体勢に入ろうとしていた。が、高田の手はするりとすり抜け、虚空に輪を描くのみであった。
    「なんでも背負い投げで解決する癖は、変わらないね」と、ハルカ。
  • 夜風が彼女の髪を揺らす。でも美しいとは思わなかった。
  • 浮かない顔になる高田。
    「自分が仮死状態なのだろうか?わからない…、わからないことだらけで溺れそうだ。助けてくれよ、ビーナス。」と弱々しく言った。
    もう彼に会えない事は知っているが、
  • トコトコと歩き、高田の隣に立つ。ゾッとするような笑みを浮かべる。
    これはハルカじゃない!と脳が警鐘を鳴らす。
  • 咽せた。思い切り。
    「グッ、ゲホッ!な、何だこれ!?本当にコーヒーなのか……!?」
    明らかに味が変だ。恐る恐るハルカの方を見ると、
  • がらりと雰囲気が変わってしまった気がする。目に光がないから、そう見えるのだろうか。高田はコーヒーをひとくち飲む。
  • 「うん、まぁね……」と曖昧に答えながら、高田はハルカを観察した。瞳以外に不審な点は見当たらない。だが、
  • 「高田くん、元気ないけど何かあったの?見ていた夢、悪い夢だった?」
    ハルカはコーヒーを淹れながら問う。
  • 「無理して起きなくていいのに。大丈夫? ご飯できたけど……」ハルカが呼びに来て言う。なにも手がかりがない今、この「ハルカ」に頼るしかない。「平気、今行く」。しかし、高田の心には猜疑心が渦巻いていた。
  • ぶんぶんと左右に首を振り「ビーナスはそんな奴じゃない。俺をいつだって助けてくれてた奴だ」と呟く。
    なんて酷いことを自分は思ってしまうんだろうと落ち込む。
  • だからと言って、そのことを聞いて彼女は答えてくれるのだろうか。
    もしかしてビーナスに騙された…?あいつ、トリックスターって言われていたし、と嫌な考えが浮かぶ。
  • しんだ魚のような目をしている…ハルカのあのキラキラした瞳ではない…何があったのだ…
  • 「高田くんが、いま混乱するのはわかっている。仕方ないもの。とりあえず、朝ごはんを一緒に食べよう。それから、ゆっくり話そうね」。ハルカは部屋から出ていった。あれは間違いなくハルカだ。しかし……
  • 「今は…何年の何月だ?ここはどこだ?これは現実なのか?」
    高田は質問攻めをした。
    「落ち着いて、高田くん。」とハルカは高田の頬に優しく触れた。
  • いつまでもベッドの上にはいられない。高田はとりあえず部屋の様子を見回す。ログハウスのようだ。立ち上がって窓を開けると、木々に囲まれた湖が見える。ほかに建物は見えない。おとぎ話の世界のようだ。ハルカにも色々聞いてみなくてはならない……。
  • 「いや、謝らないで平気だよ」と言い、ハルカの頭を撫でる高田。
    彼は「僕は偏在するハルカの一部」そう言っていたが、もし本当に夢だったら。無意識にそう言ってほしいと思っていたのだろうか。
    会えないのは知っている。でも、あのターコイズブルーの瞳の…あのレモン色の髪の少年に質問をしたい。