• 高田は底知れぬ恐怖を覚えた。得体の知れない「これ」と話していては、精神がもたない。そう思うや否や、間合いを詰めて背負い投げの体勢に入ろうとしていた。が、高田の手はするりとすり抜け、虚空に輪を描くのみであった。
    「なんでも背負い投げで解決する癖は、変わらないね」と、ハルカ。