しりとりで小説作ったー

2022年7月9日に作成 #ネタ
しりとりで小説を作りましょう!
多少話に整合性が取れなくても大丈夫!気軽にどうぞ!

NGは中傷など倫理に悖るもの
その他しりとりのルールに則っていないものや、単語のみもNGです
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  • 夜風が高田の頬を撫でる。じとっとした風で、お世辞にも心地良いとは思えない。
    こいつ、もしかしたらゾンビなのかもしれない。頭から爪先までビーナスにおかしな所がないか観察する。が、武装をしている為、ゾンビらしいものがあるのか不明だ。
  • ゾンビタウンーーそう書かれた看板のある繁華街目掛けて、ビーナスは突っ込んで行った。
    「……なあ、どこに行くんだよ」高田は不安そうに聞いた。
    ビーナスは、こう自信満々に答える。
    「世界有数の繁華街、ゾンビランドだよ!」
  • 暗闇に包まれつつある空、飛行艇は地上の灯りを目指した。都市があるらしい。高田は、こんな世界は体験したことがない。むしろ、ラーメンを啜っている方が自然だったように思える。ビーナスが言う。「さあ、着くぞ」
  • 「だって、好きに呼べって言ったのはビーナスだろ?だから、今日からお前はビーナス!」と高田は言った。
    少年…いや、ビーナスは「あんたがそれで良いならいいよ」と呟く。
  • 「ビーナスだ、ビーナス」
    少年は「は?」と嗚咽を漏らした。
    男である自分に、なぜ女神を意味するビーナスの名をつけるのか、意味がわからなかったからだ。
  • 「かーっ!うるさいやつだなぁ!そんなに名前が欲しけりゃ好きに呼べばいいだろ!」
    好きに、と言われても……。困る高田。ふと、この飛行艇の色が目に入り、ポツリと呟く。
    「ルビー……」
  • 高田、と呼ばれている自分も、その名にこだわる必要はないのか? しかし、自分には拠り所がない。いや、ハルカ、ハルカの名前に記憶はある。しかし……「俺の名前も、お前の名前もわからない。それでいいのか!」
  • 「誰だっていいだろ。名前なんて、己の存在を証明するだけのもの。ここがどこなのかってのも…どうでもいい。何でそんな気にするかな」と冷たい口調で少年は言った。
  • 「行くぞおー!」少年の操作で急加速する飛行艇。いつかあの塔に戻る必要がある。自分を取り戻すために。塔は遠ざかる。しばしあと、少年に問う「ところで、いったいここはどこなんだ? そして、君は誰なんだ?」
  • 虚しい。そう心でポツリと呟く。
    ふと、マスク男に会った時の会話を思い出す。
    「そういえば、あいつはハルカの…。あの時、俺は頭が割れるように痛くなって…」
    取るべき行動を間違えたかもしれない。
  • 無残にも、次々と撃ち抜かれていくマッシュ達。その中にはマスク男の姿が。訳も分からず閉じ込められていたとはいえ、高田の中の良心が痛む。
  • ルビー色の小型飛行艇は小気味いいエンジン音を響かせて塔から離れる。マッシュルーム頭たちが発砲してきたが、少年が機関銃を撃ち返す。「くたばれ、マッシュルーム!」
  • 「結構あんた鈍臭いね」
    少年は高田を支え、半ば無理やり飛行艇に乗せる。
  • 高田は飛行艇に乗る直前で立ち止まる。
    勢いで少年の手を取ったが、本当に信用して良いのだろうか。
  • 行くしかない! 高田は走った。だが、後ろから爆発音を聞いたマッシュルーム頭たちが追いかけてくる。少年に手を引かれるまま、壁の穴から飛び出す。そこには小さな飛行艇が待ち構えていた。
  • 「くはは、残念だったなぁ?あんたらの好きにはさせねぇから」と武装している人物が壁の穴から入ってくる。背丈のみからの情報だと、少年くらいだろうか。
    武装少年は高田に手を差して言う。
    「こっちに来い!」
  • にっちもさっちもいかなくなった高田。扉の前に呆然と立ち尽くしていると、突如爆発音! 壁に穴が空く!
  • かなり困惑した表情を浮かべる高田。
    「おい、どうした?」
    棍棒男はそう言うと軽く首を傾げ、厨房にいる人を呼ぶ。