• 屋上にいるせいか、風が強く感じる。「先生、居なくなっちゃうんだ」「──あぁ」「もう会えないんだ」先生はいつも僕に目を合わせない。今もそうだ。目を合わせないまま頷いてる。僕は先生に沢山助けられた。先生が居たから学校も頑張れたんだ。なのに先生は居なくなってしまう。「先生、僕、先生とずっと一緒に居たいんだ」「ごめんな…」先生は申し訳なさそうに下を向くけど、そんなこと僕には関係ない。だってこれからは❝ずっと❞先生のそばにいられるんだからね。「先生、こっち見て」ようやく先生が僕を見てくれる。次の瞬間僕は空を飛んだ。こうすれば先生とずっと一緒に居られると思ったから。先生から僕の姿は見えないだろうけど、それでも僕は先生のそばにいたいから。「大好き。先生。」そう言った次の瞬間、僕の意識は先生の方へ向かった。