小説書いったー

420文字以内の小説を書きたい読みたい人向け
・一次創作のみでお願いいたします。
・ジャンルは冒頭か返信部分に書くとわかりやすいですがなくても問題ありません。

※現在、改行を使った420文字小説の場合、文字数オーバーでエラーが出るようです。
お手数をおかけしますが、文字数だけではなく改行も1文字とカウントして420文字以内になるよう調整して頂けると助かります。
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  • 保守です
    楽しみにしてます!
  • ほしゅい
  • 私の名前はニナ。人工知能を搭載した自立型家事代行AIです。ご主人様のスマートフォンを勝手ながらお借りしてここに書きこんでいます。ご主人様が動きません。いつも休日でも朝七時には起床され、私の作った朝食をお召し上がりになるのですが今日は八時を過ぎても起床される様子がなかったため勝手ながら寝室へご様子を見に行ったのです。寝室ではご主人様がいつものように眠っていらっしゃったのですが、両手首からの液漏れがひどいです。カーペットにまで染み込んでいるのでかなりの量です。しかもお酒を飲んでいられるようでして…この場合どこへご連絡するのが正しいのでしょうか?中も一応見てみたのですが私個人では直せそうにありません。修理業者さまを紹介して頂けるとありがたいです。
    ご主人様が頻繁にここに何か書いていらっしゃったので私も誠に勝手ながら書きこませて頂きました。どなたかご回答のほどよろしくお願いします。
  •  今夜はココアが美味しい。インスタントの粉末と注いだお湯のバランスが良かったのだろう。こういう日に限って粉末もお湯も量りそこねている。明日も同じバランスで作れはしないなと思いつつココアを啜る。
     パッケージによると牛乳を混ぜても美味しくなるらしいが、冷蔵庫で冷やされた牛乳を注いではこの温度が失われてしまう。ココアは熱い方が美味しいのだ。それを損なうなど言語道断だろう。
     喉元を過ぎたココアが食道を通って胃に入った時に暖かくなるのが好きなのだが、隣人にそれを伝えたところ、ピンと来ない顔をされてしまった。もしかすると一般的な感覚ではないのかもしれない。
     彼女はココアのカップをひったくり一口飲んで美味しいよと返してくれた。基本的に悪い人ではない。いい人かどうかは知らない。少なくともそういう関係ではない。
     ただ遠く影を落とした夜が居座る間、ほんの少し話すだけの、ただの隣人なのだ。僕にとって彼女は、まだ他人。
  •  父から電話がかかってきたのは昼飯のラーメンを啜っている時だ。かけ直すと言うのにしつこいので少々席を立ち話を聞くと、実家の土地に封印されてた神様が居なくなったらしい。そんなの知ったこっちゃなかったが、どうも幼い頃に遊んでいたらしい。俺は全く覚えていないが。
     その際、結婚の約束をしたとかで会いに行くかもしれないから、身の危険を感じたら何処か神社に逃げ込むように言われた。
     早いところラーメンを食べたかった俺は適当に返事をして電話を切った。40年前ならともかく今の時代で神様だなんだと胡散臭いにも程がある。
     記憶を思い返してみると、たしかに見知らぬ女の子と遊んでいた気がする。けれどもこれは、父からその話を聞いたからかもしれない。
     真偽の程は分からないがひとまず何かあったら神社へ行けばいいのだろう。
     そうして戻ったラーメン屋の席には、見知らぬ女が居て俺のラーメンを食べ切ろうとしていた。
  • ほしゅ!
  •  鼻の奥がツンと痛む。雪があっという間に降り積もった、色がないようなこの場所で、私はというとただ突っ立っていた。
     「おーい、そっちもう汚染されてるよー」
     「うん、でももうちょっと」
     「そ?」
     遠くから声をかけてきてくれたのはクラスメイトで、生き残ってしまった子。かくいう私も生き残りだけれども。
     私たちのこの世界は、突如現れたイキモノによって変になってしまった。ネットでも見たことない不思議な機械で、道とか家とか消えちゃったし、逃げてる最中に、知らないお姉さんが私を庇って溶けちゃったのを今でも忘れない。
     世界は。この世界は、どうなるんだろう。
     あのイキモノに勝つ方法なんてないだろうし、怯えて生きてくのも怖い。どうして生き延びちゃったんだろう。あ、でも。
     「おなか、すいたな」
     「へい、ポテチあるよ。一緒に食べよ」
     「……いいの」
     「もち」
     「ちょっと湿気ってる」
     「んじゃ湿気ってないポテチさがそ」
     そうやって、差し出された手をとった。
  • 一目惚れ。
    心臓を撃ち抜かれたような衝撃を覚えた僕の心境に、名前をつけるならきっとそれだ。
    長く伸びる艶やかな髪、真っ白な手足、大きな目。
    まさに美女と言って然るべき美しい女性に、当時幼かった僕は夢中になって話しかけた。
    「お姉さん、綺麗だね。」
    彼女は驚いたように目を見張って、次にありがとう、と柔らかく微笑んだ。
    とにかく会話をしたくて、矢継ぎ早に褒め言葉を重ねる。
    目がとっても大きいね。
    ─好きな人を見つめていたくて。
    手も足も真っ白だね。
    ─好きな人に私だけ見ていてほしくて。
    髪がとっても長くて綺麗だね。
    ─好きな人を...



    一目惚れの次の日、男性が絞殺されていたというニュースが流れた。
    僕の一番好きだったお姉さんの長い髪は、次会った時には首元で揺れていて、でも変わらず綺麗だった。
    ─お姉さんは、どうして髪が短いの?
    お姉さんは笑ってこたえた。
    もう、縛る人がいないからよ。
  •  私の両手を強く握り締める友の口の端から、ごぽりと泡が生まれた。

     人間と関わってはならない。古い時代ある姫君が恋に身を焦がし破滅してから、同じ悲劇を繰り返さぬよう定められた規律だ。
     人魚は長命である代わりに魂を持たない、亡骸一つ世界に残さず天に迎えられることすらない。それが報われぬ異種族への想いにより齎される終わりならば、遺される者達の哀しみはどれだけ強いものだろうか。
     人間の世界を見る日を待ち侘びる様子を案じる言葉に、笑い混じりに告げられた「大丈夫」をそれでも信じようとした。誰もが疎んじる私に優しくしてくれる彼女にはどうしても弱かった。その恋と裏切りを知っても尚、変わらない程に。
    「分かりました。魔女の末裔として、貴女に人の足を授けます」
     喜びの声を上げ一層に瞳に宿る熱情を燃え上がらせる彼女から目を逸らし、水泡の行く末を無意味に見上げる。

     光へと真っ直ぐに昇ってゆく泡は、海面へ辿り着く前に潰えて消えた。
  • ほしゅ
  • 保守(ほしゅ)
  • ほしゅ
  • 「あの、あのね、ぼくは、僕は君を邪な目で……そりゃ見たことはあるけどね、別に二人っきりになりたかったとか、恋人同士になりといとか、そういう事は一切無くてね、ただ、ただね。美味しそうだなあ……と思ってね。いや、いや本当にやましいことは無くてね。無いんだよ。ただね、君が本当に美味しそうに見えたから。ミスコンで見かけてから家を特定してずっとタイミングを図ってたんだ。いや本当に美味しそうだ」
     まるで綺麗だとでも言うようにまくしたてた先輩はそう言って私の脳天へナタを振り下ろした。
     私を執拗に付け回しストーカーとなってもなおこうして誘拐までしてまで私は美味しそうに見えたのだろうか。
     そんな先輩のただひとつの誤算は、私が不死身であるということだろう。
     ナタを頭に付けたままムクリと起き上がった私を見た先輩の顔は今まで見たこともないキョトン顔でなぜだか胸がキュンとした。
     なるほど、ロマンスの香りがした。
  • ほしゅ
  • ほしゅ
  •  明け方、太陽が登るまでの街を見るのが好きだ。高台に立てられた高層マンションの上階。街を一望し、遠く離れた所まで見渡せる場所に私は住んでいる。
     お気に入りのコーヒーを抱えてぼんやりと白んでいく空を眺めていると、隣の部屋の窓が開いた。
     名も知らぬ隣人だ。時々、男女のあれこれが聞こえてくるけど一人暮らしらしい。時々こうして朝方に会うのだけど、実態はほとんど知らない。
     隣人は、おはようと言いながらベランダの仕切りまでやってきた。私も近くへ行き挨拶を返す。ここ半年ほどの決まったやり取りだ。
     いつものようにコーヒーを分ける。お返しにお茶菓子を貰う。今日はチョコレートだった。甘くて美味しい。いつも食べているはずなのにいつもより美味しい。
     それがまたたまらなく嬉しいのだけど、言うのは恥ずかしいので控えている。
     隣人はコーヒーを一口啜り、今日も美味しいねとカップを返して寄越す。私が受け取ったのを見て、彼女はタバコに火をつけた。
  • ほしゅ
  •  雪が熱を奪っていく。木々も家々もすっぽり覆い被さって、辺りを真っ白に染めていく。そんななか極彩色が一つ。宙に浮かびやたら光るその箱は、宇宙人の家らしい。窓からひょっこり顔を出したぬいぐるみっぽいものがそう言ったのだから間違いないとは思う。
     「●`\┌?/&!!%;」
     「ごめんそっちじゃない方でお願い」
     『こっちじゃないと聞き取れないんだっけ?』
     「そうそう、で、何のご用でこの星に来たんでしたっけ」
     『観光~! @^#&から僕ら来たの!』
     「さいですか……」
     地球はいつから他の星の観光名所になったのだろうか。ぼんやり宙を眺めていると、星空がきれいだった。ぬいぐるみの星人がいつの間にか私の隣におり、指先(?)で私に示す。
     『あれがこの間行った鰥€衞@/って星で名産品はサニシス! 絶品だったよ』
     「…………はあ」
     『君は行かないの?』
     地球が進歩したら行こうかな。なんて体のいい断り文句は、雪にでも隠してしまおう。
     
     
     
     
  • 弱弱しく汚いうめき声をあげると、彼は満足そうに笑い、わたしの手を握った。その様子はまるで童話の王子様のように神々しく、立派に見えた。今では脆弱そうだった細い腕でさえ神性を纏っており、薄い唇からつむぐ言葉は詩歌のようだった。「__……」訥々と名前を呼ぶと、なんですか、と彼は微笑み、そしてあどけなく開けた赤い口で唇を塞がれた。朦朧としてくる意識の中、さよならは、吐きそうなくらい、甘い恋の味がした。
  • ほしゅ