• 寒い日が続きました。コンクリートの壁は厚く、家族と身をひそめ暮らしました。なるべく地味に。キレイで目立つと、どこかに連れて行かれました。手当り次第にされ、無惨な姿で捨てられるそうです。抵抗しても力の差がありすぎました。皆、いつどうなるかわかりません。
    春になり暖かくなるとママ・パパは、あなたたちだけでも幸せにと、子どもを遠くに飛ばす手配をしてくれました。一緒に行きたいけど、親は動けません。
    風の強い日でした。今だ、とかけ声があり、一斉に逃げました。なるべく遠くへ。どこに行ったらよいかわかりません。兄弟もバラバラで行方不明です。
    小さな僕たちはよりそいながら、なんとか生きていく土地を見つけました。毎日が怖くて不安でした。
    少しずつ仲間もできました。朝の光をみて希望を捨てず、いつか花開こうと。涙を笑い飛ばし、暮らしています。僕たちは小さく無力ですが、精一杯、幸せに生きようと思います。
    たんぽぽはあなたの側で咲いています。