• 透明な夜の香り 千早茜

    刑事ドラマをよく見てたのは次々に現れる新しい人間ドラマを見たかったから。そういう意味ではお店系の話もそれに類する、実に様々な人に出会える作品ということだ
    お客だけではない、天才調香師小川朔、本書の主人公である引きこもりの兄の気配を意識する秘密のにおいがする元書店員、若宮一香。小川の外交役、探偵の新城。好きに慣れたと思ったらお別れだけどね。落ち着いた静かな、そして孤独な夜に読むにふさわしい一作かもしれない

    聴覚過敏レベルだと仕事道具で探究心もあるとはいえ、普通の生活すら難儀してだるそうだなあ
    ご飯とかの描写もおしゃれでわくわくしたし、3章のミツコさんとの会話や人間性はなんとなく西の魔女が死んだの西の魔女を思い出した。世界観がすでにハーブやらなにやらでまみれてるところに不思議で心粋のいい淑女が来たから、なんだろうけど

    苦手だわと思ってた新城が何気にいいやつなのがわかって、ああ〜ってなったり、どことなく粗野な狼って感じ